力を使わずに「体位変換」をする方法
介護士K (@kaigo_kk) です。
今回は【体位変換】のコツについて。
介護技術について写真・イラスト抜きで解説するのは難しいですが、敢えて文章だけで説明します。
人間は、同じ体勢で長期間いると接触部の皮膚や皮下組織が圧迫されて血行が悪化し、壊死した状態になります。
これを【褥瘡(じょくそう)】と言います。
所謂【床ずれ】です。
酷くなると、骨が見えたりします。
褥瘡予防だけが目的ではありませんが、身体機能が低下し自力で寝返りができない高齢者は、寝返りの手伝いをする必要があります。
これが【体位変換(※以下:体交)】です。
麻痺の有無など個々の状態によりますが、定期的に身体の向きを変えることで、1ヶ所を圧迫し続けるのを防ぎます。
体重の軽い方や少しでも動ける方なら然程問題ありませんが、全く動けない方や体重の重い方は大変です。
また、体交の際ベッドの高さを調整する等環境を整えずに力任せにやっていると、腰痛の原因になったりしするので、注意が必要です。
それでは、解説していきます。
ベッドに仰向けに寝ている体重70kgの男性がいます。
この人を力任せに横に向けようとすると、力自慢の男性でも結構大変です。
ただ、以下の2つのことをするだけで、簡単に動かすことができます。
- 両膝を立てる
- 両手を胸の上で組む
これをした後に、膝を向けたい方向に軽く押してみて下さい。
簡単に横に向けられる筈です。
嘘だと思う方は、身近な人で試してみて下さい。
今回はこれだけ覚えて下さい。
人間の身体は
接地面積が少ない程軽くなる
1~2の手順は、ベッドに接地している身体の面積を減らすためのものです。
両膝を立てることで、両脚がベッドから離れます。
両腕を胸の前で組むことで、両腕がベッドから離れます。
この時点で床に接地している部位は
- 後頭部
- 足の裏
- 背中
だいぶ接地面積が減りましたね。
そして、仰向けに寝てる人を横に向けるには、腰を押すより、立てた膝を押す方が力は要りません。
人間の身体は
接地面積が少ない程軽くなる
これだけ覚えておけば、体交はだいぶ楽になります。
麻痺や痛みなど、身体的に無理な場合は、何か1つだけでも構いません。
四肢が動かなければ、向きたい方向に首を向けて貰ったり、目線を向けて貰うだけで全然違います。
介護系の資格の実技で体交時に膝を立ててと教わるのは、こんな理由があるからです。
人間の身体は
接地面積が少ない程軽くなる
在宅介護などで腰痛の悩みを抱えている方は、是非とも参考にしてみて下さい。
だいぶ介護負担が減ると思います。
介護をする上で1番大切なのは、まずは自分の身体を守ること。
自身が健康であって初めて他のことができます。
参考になれば幸いです。