介護士Kのブログ Written by 介護士K

認知症介護の難しさ

介護の仕事

介護士K (@kaigo_kk) です。

【介護施設で虐待】

悲しいかな、よくニュースで見掛けます。

その度に【介護職員の質の向上】が至上命題と叫ばれています。

現実の介護現場はというと、毎度書いていますが人手不足でバッタバタ。

2人でする仕事を1人でしなきゃいけない様な状況で、介護職員は疲労困憊。

そして、ストレスが溜まり恒に現場はピリピリモード。

認知症高齢者の訴えや問題行動に対して“イラッ”としてしまうのは、仕方のない事。

起こってはいけない事とはいえ、内容や現場の状況次第では少し同情してしまいます。

このblog読者の中には、介護の現状と聞いてもピンと来ない方もいらっしゃると思います。

そんな方は、志村けんのコントの【ひとみ婆さん】を想像してみて下さい。

世代的にピンとこない方は、YouTubeで見てみて下さい。

洋子さんよぅ~飯ゃ~まだかい?

“お婆ちゃん、ご飯はさっき食べたでしょう?”

あぁ~そうかい。そりゃあ~そうと、爺さんの姿が見えねぇ~けど、じ~さんはどこ行っただか?

“お婆ちゃん、お爺さんは3年前に亡くなられたでしょう?”

あぁ~そうかい。ところで洋子さんよぅぅ~、飯ぃゃ~まだかぁい?

こんなやり取りが1時間内に2桁繰り広げられると想像してみて下さい。

毎回、笑顔で対応できますか??

コントなら笑えますが、現実は笑えません。

また、他人相手なら割り切れるので良いのですが、身内相手ではそうもいきません。

高齢者介護は忍耐力が必要です。

そして、高齢者介護が難しい大きな原因の1つに、価値観の相違があります。

考えてみて下さい。

認知症ということは一旦置いておいて、20歳の若者が90歳の高齢者と面と向かうわけですよ。

価値観が合うわけないじゃないですか。

戦争を経験した世代と、生まれた時から携帯電話スマホ、インターネットが身近にあった世代ですよ?

仮に同い年だったとしても、価値観が合わないのは当然。

更に言えば、自身の親とですら価値観って合わなくないですか?

例えば、私の親世代には

男は結婚して子供作って居を構えて一人前

みたいな考えがあります。

私には、これが今一理解できません。

そして、そんな私も平成生まれの若者の価値観は理解できません。

10~30歳くらいの歳の差ですら理解し合えないのに、20歳の若者に大和魂を理解しろと言ったって、そりゃあ無理な話ですよ。

人間の性格は加齢や病気で多少変わることはありますが、介護の仕事をしていて思うのは、根本的な性格や価値観というものは、そう大きくは変わらないということ。

私の親世代が子供の頃は近所に1人は恐い爺さんが住んでいて、他人の子供であろうが構わず説教をしたり怒鳴りつけたり、場合によってはゲンコツを喰らわす様な事があったそうです。

そんな人が今の時代に居て、同じことをしたら、警察呼ばれて大問題です。

下手すればネットニュースです。

そんな人たちが、今の時代の高齢者です。

若者はこういう高齢者と相対した時に

何だこの爺さん、頭おかしいのか?

と思ってしまっても、何ら不思議ではありません。

私は、高齢者介護が難しく虐待等が頻繁に起こってしまうのは、価値観の相違によるところが大きいと考えてます。

そして、高齢者に対する虐待の影に隠れていますが、介護職員が高齢者に殴られたり引っ掛かれたりセクハラされたりというのは日常茶飯事です。

100回殴られて1回コツンとオデコを叩き返してしまったとして、監視カメラが仕掛けてあったら、虐待成立。

暴れる高齢者を身体を張って押さえた時、不可抗力で自分の肘が高齢者に当たり内出血。虐待成立。

仕事とはいえ、ある意味では不条理ですよね。

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