サインを見逃すな!
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護現場にはこんな【勘違い】をしてる人が結構多いです。
それは
親身に話を聞くことが良い対応だ!
と思い込んでる人。
学校を出たばかりの新人や、片寄った介護観を持ってる人に多い。
本質的には正しいのですが、飽くまで本質であって、表面的な【親切っぽい対応】ではあまり意味がありません。
具体例で説明しましょう。
◼Aさんの『死ぬんだ…』
Aさんは時々
あぁ、俺はもうダメだ。死ぬんだ…
と言います。
こんな時
何か辛い事があるんですか?
私で良ければお話聞きますよ?
と声かけをしても、一時落ち着くことはあっても少し経つとまた
俺はダメなんだ。殺されるんだ…
なんて言い始めます。
そんな事を言っては駄目ですよ。
ご家族が悲しみますよ。
と声かけをしたところで、同じことの繰り返し。
こんな時、どう対応すべきなのでしょう?
答えは簡単。
死ぬんだ…
Aさんがこんな事を言う時は
便が出そうか、少し出てしまった時。
即ち正解は、トイレへ案内する。
どうしました?
お話伺いますよ?
とか話を続けていたら、便が出る直前だとしたら
出ちゃいますよ!
余計なことしないで、はやくトイレ行きましょう。
Aさんの
あぁ、死ぬんだ…
というのは、便が出るまたは出たという【サイン】です。
認知症高齢者は、訴えが上手くできずにソワソワしたり、不穏になることがあります。
そんな時に側に行って【傾聴】したところで、何の解決にもなりません。
人それぞれが発する【サイン】を察知して対応するのが、介護職員の仕事です。
◼Bさんのトントン
Bさんは、トイレへ行きたい時に右手でテーブルや膝の上をトントンと叩く癖があります。
トイレへ誘った時
今は行きたくない
と言いながら、右手ではテーブルをトントン…
その後、Bさんは車椅子に座った状態で尿失禁をしてしまいました。
新人は
さっきトイレ行かないって言ってたのに…
と困惑気味。
Bさんの発する【サイン】に気付かなかったのです。
◼Cさんの『雨』
Cさんは、起床時に窓の外を見て
今日は雨なの?
と聞いてくることがあります。
いや、良いお天気ですよ。
と伝えても
そう、雨なのね…
と繰り返すばかり。
Cさんが『雨』と言う日は、入浴を拒否します。
入浴の声掛けをしたら『具合が悪い』と拒否をされました。熱も無いし、どこも変な様子は無いのですが…
新人が相談してきました。
朝『雨』って言ってた?
と聞くと
あ、言ってました!晴れですと伝えても『雨なのね…』とずっと言ってました。
Cさんが『雨』と言う日は、何か気分が乗らず、一日ゴロゴロしていたいのでしょう。
このように、認知症高齢者は様々な【サイン】を発しています。
それに気付かず【傾聴】したところで、相手にとって迷惑でしかありません。
皆さんだってそうでしょう?
二日酔いで体調最悪なのに仕事の日、更衣室で同僚に
あぁ、ダリぃ…今日マジでサボりてぇ。
とかボヤいた時
戦う前からに弱気になってどーするんだよ!!
自分に負けてるんだよ!!
二日酔いがなんだよ!!
お前ならやれるよ!!
勝てる!!
絶対に勝てるよ!!
二日酔いなんかに負けんなよ!!
とか松※⚫造バリに言われたら
ウザいでしょw?
声かけの上手な介護職員の特徴という記事にも書きましたが、相手は人間。
相手の求めるものに応えることが、対人関係のベースなわけです。