とりあえず「トイレ」へ行ってみよう
介護士K (@kaigo_kk) です。
今回は介護現場によくある風景を。
以前、認知症高齢者の問題行動は簡単に作れるという記事を書きましたが、今回はそれに通ずる内容です。
夜間、転倒リスクの高い人が落ち着かず、何度もベッドから起きて歩こうすることがあります。
センサーを設置してる場合は鳴りっぱなしみたいな。
こういった状況で
夜だから寝てください!
と言ってしまったり、落ち着いて貰おうと傾聴したり等、介護職員は様々なアプローチをします。
まぁ、スピーチロックはよくありませんが、どうアプローチしてもその場だけは納得するも、またすぐに起きて…
そんな無限ループ、現場経験者なら幾度となく遭遇したことあると思います。
新人職員が
何とかして落ち着いて貰おう!
と一生懸命に話を聞いたり、声掛けの下手なナースが
何とかして納得させよう!
とマウンティング気味にアプローチしているのをよく見掛けますが、まぁ大体が失敗するか火に油を注ぐ結果になります。
そもそも、何かしら理由があって起きてくる人に
夜だから寝て!
とか言ったところで何の解決にもなりません。
何度言っても起きてくるから苛ついて
何度言わせるの!
となり、入居者様も
何だテメー偉そうに!
とかなるのがお決まりのパターン。
関わってる全員に損しかありません。
そして、そんな経緯を
⚫△様、夜間43回センサーあり。傾聴するも落ち着かず、不穏になり介護職員に暴言。
とか経過記録に書けば、問題行動完成。
これを繰り返せば【問題老人】の出来上がり。
話が大幅に脱線しましたが、落ち着かない入居者様がいたらとりあえず
トイレへ案内してみて下さい。
オムツの方なら、パッドを確認してみて下さい。
大概パッドに尿便が溢れんばかりに出ていたり、トイレに座った瞬間にドッと大量の排便があったりします。
そして、その後は何事も無かったようにスッと眠りに就いたりします。
新人の頃、コール頻回の入居者様に四苦八苦している私を見たベテラン先輩職員が一言
トイレ連れてってみ
トイレ誘導したら大量の排便があり、その後その方は一度も起きることなく朝までグッスリ眠りました。
至ってシンプルなことですが、当時は目から鱗でした。
あれから14年、不穏な入居者様にあたふたしてる後輩職員を見ると
とりあえずトイレ行ってみ
と言ってます。
勿論、それで解決しない事も多々ありますが、認知症高齢者は尿便意を上手く伝えられず落ち着かないことが多々あります。
ソワソワしてる入居者様を見掛けたら
トイレ行ってみましょうか?
と声を掛けてみて下さい。
それがゆくゆくは大きな事故を防ぐことに繋がりますから。