介護士Kのブログ Written by 介護士K

とある朝の珍事件

介護現場の日常

介護士K (@kaigo_kk) です。

夜勤の明け方4時頃、定時のオムツ交換に入ろうと準備をしていると…

4床部屋の利用者Aさんが…

大変、大変!

と言いながらスタッフを呼びに来ました。

急いで居室へ伺うと、同室の利用者Mさんがベッド手前の床に右側臥位(※右側を下にして)で倒れていました。

看護師、相勤者を呼び、ひとまずベッドへ移し身体確認。

  • 意識明瞭
  • 外傷なし
  • 痛みなし
  • バイタル異常なし

Mさんは日頃から聞く度にどこかしら痛いと訴えるので、今一信憑性がありませんが、ベッドから床に落ちて外傷がなければ、不幸中の幸いといったところです。

ただ、何故そのような状態になったのか…

■Mさん(女性)

車椅子への移乗はほぼ全介助。

車椅子自操(※自分で操作)はできない。

食事は自力で召し上がれるも手が止まってしまう為、適時声掛け、介助。

入浴は浴槽の出入りが難しく、最近は浴槽からストレッチャー機械浴へ。全般的に協力動作はあるも、洗身・更衣等はほぼ全介助。

排泄は定時にオムツ交換。

食事、入浴、レクリエーション等以外の時間はベッド上で寝て過ごすことが殆どで、最近ではベッド上での体動も殆どなく、夜間は2時間おきに体位変換を実施している。

コミュニケーションについては認知症はあるも、簡単な会話なら可能。

そんな、所謂ほぼ全介助のMさん。

以前は自身で動いてベッドや車椅子からずり落ちることはあったが、最近の状況からは自身で動いてベッドから落ちるとは考えにくい。

ただ、認知症高齢者は時として思いもよらない動きをすることがあります。

つい先日も、普段はベッドに寝たら自分からは動こうとしない方が、ベッドから5m離れた廊下で転倒し右大腿部を骨折するという事故が発生しました。

Mさんも急に動いたのかな…??

と考えてもみましたが、仮にそうだったとしても発生時の身辺の状況がどうもおかしい。

ベッドからずり落ちた場合、掛け布団等のまわりの状況で

あ~こんな感じで落ちたのかな

と分かるものなのですが、発見時頭の下には枕が置かれていて、身体にはタオルケットが掛けられていました。

ソファーでウトウトしている友達にそっと毛布を掛けてあげた様な、自分で掛けたのとは違う感じ。

そして、そもそも動線がどうもおかしい…

看護師と3人で発生状況が分からず首を傾げていると、発見者のAさんが近付いてきてひと言…

 

私がやったの

 

!?

詳しく聞くと…

(Mさんを)トイレに連れて行ってあげようと思って、起こそうとしたら失敗して、慌てて呼びに行ったの

と。。

Mさんはベッドに寝ている時

助けて~

と声出しをすることがあり、その時は姿勢が辛かったり排尿排便の訴えである事が多く、体位変換したりオムツ交換をする等、適宜対応をしています。

他の同室の方に伺うと、Mさんは発生前後

助けて~

と言っていたと。

Mさんにも伺うと…

何か知らないけど、落とされたの

と。。

瞬間を見ていないですし、認知症の方々の証言なのでどこまでが本当かは分かりませんが、おそらくは…

  1. Mさんが声を出していた
  2. AさんはそんなMさんを起こしてあげようと思った
  3. 失敗して床に落ちてしまった
  4. そのままだと何なので、頭下に枕を置き、タオルケットを掛けた
  5. スタッフを呼びに言った

という感じだったのだと思います。

ちなみにMさんは小柄ですが協力動作が殆どないので、起こそうと思うとそこそこ重い。

Aさんは小柄…

一体、どのようにして起こしたのだろう…

最悪は共倒れで、2人とも怪我をしていたかも知れません。。

とにかく、お2人とも無事で良かった。。

介護現場では日々様々なヒヤリハットや、時には事故が発生しますが、このような事例はあまり経験がなく、報告書を書くのに少し頭を悩ませてしまいました。

これも経験として、明日からの仕事に活かしていきたいと思います。

ただ、今回の事例…

もしAさんの告白が無かったら…

確実に迷宮入りでした。。

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