現場を知らないケアマネ
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護現場で1番大切はことは何でしょう?
どんな仕事も【連携】って大切ですよね。
- 営業職 と 事務職
- 看護 と 介護
お互いの理解がないと、仕事はうまく回りません。
先日、同業の知人とズーム飲みをしました。
その時、彼の施設に新しく赴任してきたケアマネの話になりました。
その話が“介護あるある”だったので、今回はその話をネタに
- 聞く耳を持つこと
の大切さにについて書きました。
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現場を知らないケアマネ
知人の施設に新しく赴任してきたケアマネは、現場経験がありません。
ある日、入居者Aさんが
トイレへ連れていって下さい。
と訴えていました。
Aさんは認知症で、5分に1回くらいトイレの訴えがあり、数分前にトイレへ行ったばかり。
丁度その頃、昼食後のトイレ誘導で介護職員はバタバタ動き回っていて、その訴えを聞いたのは、たまたまその場を通りかかったケアマネでした。
ケアマネは介護職員を呼び止め
A様がトイレへ行きたいと仰っています。対応お願いします。
と言いました。
それを聞いた職員は別の入居者対応中だった為、Aさんに
少々お待ち下さい
と伝え、その場を離れました。
それからしばらく、Aさんは見掛けたスタッフにトイレへ行きたいと訴えましたが、どの職員も他者対応で忙しく
少々お待ち下さい
と言いました。
後日開催された会議で、そのケアマネはこんな事を言ったそうです。
あなた達のしている事は“虐待”です。【(※)パーソン・センタード・ケア】という言葉を知っていますか?あなた達は、自分達の仕事を優先して、入居者様の目線に立っていない!!
(※)パーソン・センタード・ケア
認知症をもつ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアの一つの考え方。
例として、A様のトイレの話をしたそうです。
介護職員は考えて動いている
トイレ誘導の件について解説します。
介護施設では、数名~数十名の入居者が生活をしています。
自力でトイレへ行ける方もいれば、尿便意の感覚がなく、一定の間隔でトイレへ誘導する方、オムツの方など、ADLは様々です。
大体どこの施設でも、食後に排泄介助の時間があります。
この時、現場はバタつきます。
殆どの入居者が食後トイレへ向かう上に、多くの方は認知症です。
歩けないのに急に車椅子から立ち上がったり、何度もナースコールを押したり…
Aさんのように、数分おきにトイレを訴えたり…
慌ただしくなります。
そんな中、介護職員は様々なリスクを踏まえ、トイレ誘導やオムツ交換の順番を決めて動きます。
トイレが待てない人は先に誘導したり、長時間座っていられない人は早めにベッドに寝かせたり等、頭フル回転させてます。
職員より入居者のほうが多いため、必然的に誰かを待たせることになります。
そんな時間帯に現場を知らないケアマネがふらっと来て
入居者様を蔑ろにしてる!!
なんて言われた日には
ふざけるな!!
介護職員なら腹立ちますよね?
当然です。
会議の時、介護職員は状況を説明したそうですが、ケアマネは一歩も譲らず
あなた達の介護に対する考え方に問題がある!!
の一点張り。
そんなケアマネなので、介護&看護と連携が取れず、現場は困惑しているそうです。
介護現場を理解しましょう
今回の話は、ケアマネ全員を非難するものではありません。
現場に協力的なケアマネもいます。
ただ、話を聞くと他職種と【連携】が取れていない施設は結構あるようです。
Aさんのトイレの話に戻ります。
そもそも、5分に1回トイレを訴える方を毎回トイレへ誘導するのって、素晴らしい介護ですかね?
これが夜間だとして、一晩で60回トイレへ行きました。
Aさん寝る時間ありません。
昼だとしても、Aさん1人にかかりっ切りになった結果、影響を受けるのは他の入居者です。
Aさんの訴えを毎回聞いていたら、Bさんがトイレに間に合わなくなります。
Aさんの対応で頻繁にフロアを離れた結果、フロアが手薄になり、Cさんが急に立ち上がり転倒骨折。
珍しい話じゃありません。
介護職は、現場の様々なリスクや状況を踏まえて業務を組み立てています。
全て利用者主体で動いていたら、介護職員は休憩が取れなくなったり、サービス残業三昧になってしまいます。
介護現場が、ある程度介護職主体になってしまうのは仕方のないことです。
ここを理解して貰わないと【連携】は困難です。
まず何より現場を知らないのに
あなた達の介護は虐待!!
とか言えてしまう人は、介護の仕事自体を考え直した方がいい。
飽くまで個人的な感想ですが。
最後に
今回は、介護現場を知らないケアマネの話をネタに【連携】について書きました。
介護職が全て正しいわけではないので、現場を知らない人の客観的意見が参考になることもあります。
- 看護介護の常識は世間の非常識
と言われるように、介護現場も業務や人手不足だけを理由にするのは良くありません。
介護現場にとって【連携】を取れないのは致命的です。
すぐに理解が出来なかったとしても
- 聞く耳を持つこと
何事においても大切ですよね。
人間関係と同じで、言うのは簡単で、実行するのは難しいんですけどね。。
一向に変わらない、何ともならないなら、環境を変えるのも1つの選択です。
介護職の皆さんが、心身ともに健康で仕事ができることを願っています。