日本に「外国人介護士」は定着するのか?
介護士K (@kaigo_kk) です。
外国人介護士は日本の介護現場に定着できるのか?
慢性的&致命的人手不足な介護業界。
2025年には介護職員が38万人~足りないと言われてます。
そんな中、だいぶ前から外国人介護士を現場にという話が上がってます。
ただ、実際は中々定着していません。
私はここ10年くらいで外国人介護士数名と仕事をする機会がありました。
その経験から、今回はなぜ外国人介護士が日本の介護現場に中々定着できないかについて書いてみようと思います。
結論から言うと、現場で働くことに関しては然程問題ありません。
人によっては下手な日本人介護士よりも頼りになったりもします。
ただ、常勤フルシフトとなると話は変わってきます。
何故、働くことはできるのに常勤は難しいのか?
そう感じた理由を幾つか説明していきます。
◼読み書きができない
話すことに関しては、日常会話が差し支えないレベルなら然程問題ありません。
仕事の会話ができるレベルなら、現場での連携は可能です。
読みに関しても難しい名前の漢字などは最初は苦労しますが、入居者様と関わるうちに覚えられるので、そこまで心配はいりません。
問題は、経過記録などの読み書き。
介護現場では経過記録をはじめ、文章を書く機会が結構あります。
会議の議事録などもそう。
平仮名や簡単な漢字を書ける人はいますが、経過記録などを書くのはかなり難易度が高い。
また、介護や看護の記録や申し送りは専門用語や略語も多いため、情報収集も困難。
これらをクリアするのは相当ハードルが高いです。
◼入居者様とのコミュニケーション
外国人と一括りにしてしまうのは語弊がありますが、私が見ていて一番思ったことは
外国人は日本人と比べて語気が強い。
何となく想像つきますよね?
以前、頻繁にトイレを訴える入居者様に外国人介護士Sさんが声掛けをしたら、入居者様が泣き出してしまいました。
Sさんは
さっき行ったばかりですよ
的なことを普通に言ったそうですが、言われた入居者様に聞くと怒られたように感じて、怖かったと。
サッキトイレイタバカリダヨ!
的な風に聞こえたのでしょうか…
この事をSさんに伝えたら
私はそんなつもりで言ったわけじゃない!
と、今度はSさんが泣き出してしまいまいました。。
外国人が日本語を話す時、語気が強く感じることはよくあります。
また、日本語には “ YES/NO ” 以外の曖昧な表現が多数あります。
国民性や文化的背景に由来するものなので、そのニュアンスを理解するのは難しいでしょう。
◼入居者様が怖がる
例えば私が入居者だとして、夜トイレに行きたくてナースコールを押したとします。
すると、2メートルくらいのムキムキの黒人介護士が部屋に入ってきて
ドウシマシタ?
と言われたら…
あ、いえ…何でもないです。。
と言ってしまいそうです。
これは冗談として、差別ではなく高齢者からしたら外国人は関わったことのない未知の存在なので、接し慣れていないから怖く感じてしまう。
私自身、病院に行ったときに医者や看護師が外国人で
注射ヲシマショウ
と言われたら、通常より怖く感じると思います。
最近ではコンビニや飲食店をはじめ、身近に外国人が増えてきているので一昔前に比べたら違和感は減りましたが
高齢者からしたら、やはり慣れない存在なのです。
最後に、私が一番ネックだと感じたことは
◼日本の社会常識が通じない
勤務表を作る際、予め希望休を募り、時には職員と相談しながら調整するのですが
シフトが出た時点で
やはりこの日は休みにして欲しい
と言われたことが何度かあります。
出勤人数や業務分担の関係で穴を開けられては困ると説明しても
そう言われても、無理なものは無理
と、遠慮どころか寧ろ強気で一歩も引かない様子。
ある程度社会常識のある日本人なら交渉するにも
シフトの件でご相談が…
などと低姿勢で来るのですが、それはまずない。
これは国民性の違いなので仕方ないと思います。
家族に何かあれば真っ先に仕事を休む、そんな国も多くあります。
寧ろ、日本人の時には自己犠牲にも繋がり兼ねない勤勉さは理解されにくいのでしょう。
とはいえ、日本社会は日本の常識で回っているので、シフトに穴を空けられては困るわけです。
これが仮に夜勤だとして、前日に
明日行けなくなりました
なんて言われたら、洒落にもなりません。
以上。
これは私が接してきた数名の外国人介護士とのエピソードなので、これだけを判断基準に外国人介護士がどうというものではありません。
私が経験から感じたことは、常勤フルシフトではなく、入浴専門のパートなどの非常勤的な形態なら定着しやすいのではと思いました。