介護士Kのブログ Written by 介護士K

高齢者が「急に元気になる」日

介護現場の日常

介護士K (@kaigo_kk) です。

今回は認知症高齢者の行動について。

1年くらい前、事故が発生しました。

入居者S様(♀)が廊下で転倒し大腿骨径部を骨折。

発生時刻は19時30分頃。

当日、18時頃から夕食介助をしていました。

その日の夕食介助時、S様は

眠い~

とひたすら訴えていました。

食事の後半から口腔ケアの頃には既に目を閉じてうつら×2

声掛けをしないと目を開けない状態でした。

まぁ、これはいつものことで、別段珍しい光景ではありません。

口腔ケア後居室ベッドへ誘導し、パジャマ更衣とオムツ交換をし、夜勤者は他者の対応へ。

19時頃にナイトケアが落ち着き、夜勤者はステーション前で記録や雑務をしていました。

そんな矢先、廊下奥で

 

ドン!

 

という大きな音が。

慌てて駆けつけると、S様が廊下に右側臥位で転倒していました。

S様は何もしなければ丸1日寝ているような人で、自発的に動こうとすることは殆どありません。

食事やレクの際に早く離床すると長時間待てずにすぐにテーブルに伏して寝てしまう為、離床も遅めの対応をしていました。

そんなS様が廊下で転倒…

車椅子全介助な上にオムツ対応なので、立ち上がるのは移乗の時くらい。

移乗時もフラフラ安定せず。

しかも、S様のベッドは4床部屋の右奥の窓側。

手前側なら壁や手すりをつたって歩けるかも知れませんが、奥のベッドからだと配置的に手すりや壁など何も無い場所を独歩で5メートル以上歩ことになる。

しかも、普段は殆ど全介助なのに、靴もしっかり履いていた。

S様に状況を聞くも、認知症のため状況説明はできず

痛い~眠い~

と繰り返すのみ。

痛みが強く受診。

結果は右大腿骨径部骨折。

入院となりました。

当日私は出勤ではなく、翌日に出勤して報告書を見ました。

S様が歩いた…

過去にも何度か似たような事故に遭遇したことがありました。

認知症高齢者は半年や1年に1度くらい、やたらと元気な日があったりします。

勿論、全員が全員ではありません。

S様のように普段殆ど自発的に動かない人が歩いたり、寝返りが自力でできず定時に体位変換をしている人がベッド足元からずり落ちたりなど。

きっと本人なりに何か理由があるのだと思いますが、それは分かりません。

高齢者のADLは日々変わります。

体調によって大きく変わる日もあります。

介護士は個々のADLを把握して動きます。

ただ、時としてS様のように予想だにしない事故が発生します。

いつ何が起こるか分からない

そう自覚する必要があると、改めて感じた出来事でした。

あれからS様は無事に退院して再入所となり、車椅子~ベッド間の移乗ができるまでに回復しました。

今でも毎日

眠い~

と言いながら食事をしています。

そして、あれから歩こうとする様子は一向にありません。

個人的に

そろそろ歩くんじゃないかな?

と気にしていたりします。

余談ですが、認知症高齢者は予期せぬ行動に出る時、何かしら予兆があることが多いです。

いつもよりよく喋る

昼に久々に家族が大人数で面会に来た

外出を翌日に控えてどこかソワソワしている

等など。

先月はお盆の時期にソワソワして夜眠らない人が多く、苦労しました。

ちなみに、S様は転倒する前、何の予兆もありませんでした。。

難しいですねぇ…

以上、今回はこんな話でした。

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