「車椅子」は絶叫マシーン
介護士K (@kaigo_kk) です。
車椅子は「ビッグサンダー・マウンテン」です。
従来型特養、老健など、入所者数が多く職員がせわしなく動き回っている介護施設で、ほぼ100%と言っても過言じゃないくらい気になることがあります。
それは…
「車椅子」を押すスピード。
介護士の人なら「あっ…」と思うかも知れません。
思うならまだしも、自覚がない人も多いのではないでしょうか?
特養、老健などのの介護施設で「車椅子」を使用している入居者は7割位はいると思います。
自分で操作できる人もいれば、全介助の人もいます。
介護士が入居者の「車椅子」を押すのを見ていて、いつも思うことがあります。
スピード速すぎ。
遡ること十数年前、私がヘルパー2級講座(※今の初任者研修)に通っていた時、実技講習の時間に「車椅子体験」がありました。
2人1組になって、1人が「車椅子」に乗って、パートナーが押すというもの。
この時「車椅子」に乗って押された時の感想。
めっちゃ怖い…
初めて友達のバイクの後ろに乗せられた時と同じくらい怖かったのを覚えてます。
「車椅子」は体感として、押す側が思っている以上に、押される側は速く感じます。
そして、かなりの確率で急発進&急停止です。
私は、介護未経験のスタッフに「車椅子」操作を教える時は1度乗ってもらい…
- 急発進
- 急停止
- 急旋回
- 声かけ無し発進
- 速押し
といった操作をして体感してもらいます。
車椅子に乗った事のない人は、是非とも1度誰かに押されてみて下さい。
介護は事前の声かけが重要です。
「車椅子」介助時は、特に重要です。
介護施設でよく見る風景
「車椅子」に乗ってウトウトしている入居者さん…
後方から忍び寄る介護士…
- 無言で車椅子のグリップを握り
- ブレーキを解除し
- 急に後方に引き
- クイッと急旋回して
- 急加速で発進
この一連の動作を体験して頂きたい。
無警戒な時、死角から予告無しです。
軽い【ドッキリ】です。
「車椅子」を操作する時、入居者さんが驚いたり、近くのものに捕まろうとしたり、バランスを崩して前後に身体が動いてしまうのは、危険回避のための反射的アクションです。
同じことをされたら、アナタもとっさに何かに捕まったり、バランスを崩しそうになるでしょう。
きちんと声かけをした後、ゆっくり「車椅子」を動かしましょう。
コミュニケーションが取れない入居者さんの場合は、特に意識しましょう。
「車椅子」を速く押している時に、入居者さんが足を床に下ろし、巻き込まれて前方へ転落し、足首複雑骨折…
「車椅子」を押していて手すりの側を通った時、入居者さんが急に手すりにつかまり、「車椅子」から転落…
こんな事故を見たことがある介護士は多いはずです。
車椅子は絶叫マシーン
自動車の運転同様、事故を防ぐためにも「車椅子」を押す時は、自分がゆっくりと思う速度の、さらに1つ下くらいの速度を意識しましょう。
自動車で30キロ制限道路を、きっちり時速30キロで走るくらいの感覚です。
運転する方なら分かると思いますが、けっこう遅く感じます。
大事故を起こしてからでは手遅れです。
偉そうに言っている私自身、バタバタしている時に「車椅子」を速く押していて
あっ!!
…と思うことは日常茶飯事です。
「車椅子」に乗った事のない人は、仕事の空き時間に同僚を捕まえて…
いつもな感じで押してみて
と言って、「車椅子」に乗って押されてみて下さい。
新しい発見がある筈です。