介護士Kのブログ Written by 介護士K

介護施設の入居者は「不幸」なのか?

持論

介護士K (@kaigo_kk) です。

介護施設の利用者は不幸なのか?

SNSを見ていると

介護施設の利用者は可哀想だ!

と言う人が結構います。

  • 自由が無い
  • プライバシーが無い

起床、食事、入浴、レク、就寝…

全て施設のタイムスケジュールに沿って生活が決められていて、そんな生活は人間的じゃないと。

言いたいことは解らなくも無い。

ただ、考えて貰いたい。

施設に希望して入居してくる利用者はまずいない。

独居が難しくなったり、家族ではみれなくなったり等、それぞれの家庭に事情がある。

帰宅願望が強い利用者も多いが、独居が不可能だったり、在宅でみれない場合、物理的に在宅復帰は不可能。

帰りたい!

という利用者の気持ちも十二分に解るが、どうしようもない場合が殆ど。

帰りたいのに帰れない利用者を可哀想と思う気持ちは解らなくも無い。

ただ、そこで

彼(彼女)たちは可哀想だ!

と言ってしまうのは、差別だと思う。

以前介護施設は【牢獄】なのか?という記事を書きました。

最初は不本意なかたちで入居してきて

帰りたい!

と毎日訴えてた利用者が、しばらくして施設の生活に慣れ、友達もでき、居心地が良くなることもあります。

入居したばかりの頃は

こんな所はやく出て行きたい!

と連呼してた人が

ここは何でもしてくれて、職員さんも優しくて、極楽みたいなもんだ

なんて言うようになることも結構ある。

あれだけ帰りたいと言っていた自宅へ退所が決まったのに、退所日に号泣して

また此処に戻って来たい

と言う人もいます。

そして、強い訴えは無くても、自分で生活リズムを作り、施設生活を満喫してる人もいます。

人それぞれ環境や状況の受け止め方が違う。

それを一方的に

利用者は可哀想だ!

人間的じゃない!

とか言ってしまうのは、それこそ差別だ。

最後まで人間らしい生き方を!

と言うと聞こえが良く、いかにも【これぞ介護職!】とか思われがちですが、捉え方を間違えた綺麗事ば差別だし、それこそ危険な思考だと思う。

我々介護職員は、置かれた環境で出来ることをするだけ。

利用者が可哀想だ!

と叫んで批判する前に現実を受け止め、できる事を真摯に行うことこそが、介護職員の仕事。

相手の根本的な幸不幸を判断するのは、介護職員の仕事じゃない。

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