介護施設における『人間らしい生活』とは?
介護士K (@kaigo_kk) です。
「人間らしい生活」って何でしょう?
その人の意思を尊重して寄り添う
『パーソン・センタード・ケア』
という考え方があります。
ただ「人間らしい生活」は、一歩間違えると押し付けになり、下手をすると身体拘束になります。
今回は、私が派遣時代の経験をもとに、介護施設における「人間らしい生活」について考えてみました。
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「人間らしい生活」とは?
10年くらい前、派遣として特養で働いていた時のこと。
ある日の朝、出勤してきたフロア主任が、夜勤職員を注意していました。
その内容が
なんで入居者Aさんをパジャマに着替えなかったの!?
というもの。
夜勤職員は、寝る前にパジャマに着替えるよう勧めたら拒否をされたので、更衣をしなかったと。
それを聞いた主任は…
夜パジャマに着替えて貰うのも、サービスの1つだから!!
と突き返しました。
夜勤職員は、何も言い返せませんでした。
主任は、入浴拒否をする入居者さんを一生懸命説得したり、食事をごちゃ混ぜにしてしまう入居者さんの横に付き、混ぜないで食べるよう促したりしていました。
「入居者様の『尊厳』を守り、最後まで『人間らしい生活』を」
というのがモットーな人でした。
パジャマの件に限らず、細かい事でよく職員を注意していました。
私は派遣だったので、そんな光景をいつも端から見ていました。
そして、いつもこう思っていました。
それって「押し付け」ですよね?
パジャマに着替えないで寝る。
ご飯におかずを混ぜる。
風呂に入らない。
これって「人間らしくない」のでしょうか?
「人間らしい生活」というのは
一歩間違えると押し付けになります。
例えば、私は「パジャマ」に着替える習慣がありません。
適当なTシャツなどを着て寝ます。
歳を取っても変わらないでしょう。
将来、施設に入所して、夜パジャマに着替えるように勧められたら…
自分、パジャマ着ないので。
と断るでしょう。
そんな時に…
パジャマへ着替えて寝るのが普通ですよ。
と言われたら…
それって、あなたの感想ですよね?
と言い返すでしょう。
食事、入浴、すべて同じです。
当人がどうしたいかが重要であって、回りの価値観は関係ありません。
意思を尊重するのが「人間らしい生活」とは限らない
介護施設では、全て入居者さんの希望通りにすると…
毎回入浴拒否をされたので、半年間入浴しませんでした。
毎回トイレを拒否するので、丸1日トイレ介助をしませんでした。
みたいな事になります。
入居者さんの意思を最大限尊重した「人間らしい生活」です。
でも、これってアウトですよね?
これはネグレクト(放棄・放任)という、立派な高齢者虐待です。
これは極端な例ですが、パジャマ更衣を強引に進めるのも、入浴拒否をする人を強引に誘うのも、相手の捉え方次第では、立派な虐待です。
冒頭で紹介したフロア主任は、真面目な人でした。
ただ、少し頭が固かった。
パジャマ更衣めんどくせーから、拒否したってことにしてこのまま寝かせちゃえ!
こんな手抜き介助はNGです。
ただ、拒否をされた時は…
分かりました。
と快く受け入れるのが「人間らしい生活」のサポートだと、私は考えます。
そもそも、寝る時にパジャマ着るかどうかなんて…
目玉焼き「しょう油派」「ソース派」レベルの話です。
「しょう油」かけるなんて、人間のすることじゃねぇ!!
「ソース」派はすべて殲滅する!!
なんて話にはなりませんよね?
自分がされたら、どうだろう?
そう考えて「人間らしい生活」と向き合っていきましょう。
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