人間は「衰える」のです
介護士K (@kaigo_kk) です。
現実を受け入れましょう。
30歳になったばかりの頃、別フロアの主任に誘われてバドミントンをしたことがありました。
主任は大学の趣味サークルでやっていて、今でも当時の仲間たちとたまに体育館を借りてバドミントンをしているとの事。
私は、中学時代バドミントン部でした。
飲み会でたまたまその話になり
今度一緒にやろうよ
と誘われたのです。
高校では別の部活に入ったので実質3年間しかやっていませんが、結構本気でやっていて
- 地区大会優勝
- 市大会ベスト8
- 県大会出場
という結果を残していたので
大学のサークルレベルなんざ蹴散らしてくれるわ!
そう意気込んで当日臨みました。
体育館に着くと、主任の同僚たちはウォーミングアップを済ませ、コートに入って軽くラリーをしていました。
フットワークやフォームを見ても、サークルレベルといった感じ。
格の違いを見せてやるわ!
心で呟いて、余裕しゃきしゃき半笑いでコートイン。
主任がサーブを打ち、私が落下点に入り
少し強めの返してやる!
と、手首のスナップを強めに利かせてラケットをブンと振りました。
スカッ
空振り。
(まぁ…久し振りだからな。。)
今度は私がサーブを打ち、主任が打ち返してきました。
落下点に入り
次こそは!
スナップを利かせ、ラケットをブンと振りました。
スカッ
(額から変な汗。。)
(いやいや、そんな筈はない。まぁ、かれこれ15年振りだしな。。感覚戻れば問題ない!!)
もう一度私がサーブを打ち、主任が打ち返してきました。
落下点に入って手首のスナップを利かせラケットを…
スカッ
!!?
いかん、全く当たらん…
少し感覚が戻って当たるようにはなりましたが、その日は主任とその仲間たちにフルボッコにされて終わりました。
フェイントには反応できないし、速い当たりには反応できても足がついていかないし。。
過去の栄光と自信は塵と化しました。
冷静に考えれば当然の話で、15年もブランクがあればそんなモノ。
でも、自分の頭では全盛期に相手を翻弄しているイメージ。
現実とのギャップに愕然としたのを覚えています。
話は変わって、少し前に祖母と食事をした時のこと。
あんた、全然食べないじゃない?調子でも悪いの?
と言われました。
いやいや、俺ももうそんなに食べる歳じゃないよ。
と言ったら、どこか寂しそうな表情を浮かべてました。
祖母の中では、私のイメージはバドミントンをしている頃なのでしょう。
(当時は弁当に米一合入ってました)
今はその頃とは違うと解っていても、その頃の印象を引き摺っているのでしょう。
さて。
いつもの記事と同じくらいの文字数になってしまったので、前フリはこの辺にしておきましょう。
何が言いたいのかというと…
人間は…
【衰え】るんです!
利用者家族の皆様、現実を受け止めて下さい。
車椅子になって2年の利用者が、3ヶ月リハビリをしたくらいでスタスタ歩けるようにはなりません。
ミキサー食の利用者が、トンカツを食べれるようにはなりません。
久々に面会に来た家族が
半年前はもっと元気だったのに…
当然です!
人間は【衰え】るのですから。
普通にしていたって、歳とともに【衰え】ます。
若い頃と比べ、お酒が抜けにくくなってませんか?
食べたらすぐお腹回りに肉が付きやすくなってませんか?
階段で息切れするようになってませんか?
年々夜勤がキツくなってきてませんか?
それが普通です。
トレーニングや節制で多少は抗えますが、永遠の生命はありません。
誰しも少しずつ【衰える】のです。
歩けなくなった
食べれなくなった
寝てる時間が増えた
喋らなくなってきた
人は日々【衰え】ていきます。
たまに
週に何回もリハビリをしているのに、何で歩けるようにならないんですか?
と言ってくる家族がいます
(少ないけど)
現実を受け入れましょう。
両親など、自分に近い人であればある程、一番カッコ良く輝いていた頃のイメージを引き摺ってしまいます。
分かります。
でも、現実を受け止めましょう。
現実を受け止めた上で、お互いにとってベストな接し方を考えましょう。
辛いとは思いますが、目を逸らしたり過去を回想していても、現実は変わりませんからね。
最後に。
【リターンライダー】という言葉をご存知でしょうか?
若い頃バイクに乗っていた人が、何十年かブランクを経て、再びバイクに乗る。
若い頃は峠で最速と呼ばれ、誰も自分の前には出れなかった。
その時のイメージを引き摺って走り、大事故を起こす。
最近、そんな悲しいニュースがよくあります。
何事も、現実を受け止めることが大切です。