コミュニケーション不足は「クレーム」に直結
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護職の皆様、辛い時期になってきましたね?
入 浴 介 助 が 。
水分補給はしっかりしましょう。
今回は【環境整備】から発生したクレームについて。
利用者の私物を一切置かない施設もあるようですが、私が経験した
- 特養
- 有料
- 老健
では、居室には私物が結構あり、居室担当職員が定期的に環境整備を行います。
施設における居室はその人にとって【家】であり、最もプライベートな空間。
相手のことを理解せずに関わってしまうと、時に大きなクレームに繋がったりします。
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シゲ子さん(仮名)が怒った
シゲ子さん(仮名) 90歳
日常生活は自立。
社交性があり穏やかな性格。
夜勤明けの起床介助の時などにすれ違うと
お早うございます。ご苦労様ですねぇ。
と、私たちに笑顔で挨拶をしてくれます。
シゲ子さんが怒っている姿は一度も見たことがありません。
先日、シゲ子さんのご家族からクレームがありました。
母が怒ってるので、居室担当の職員と話をさせて貰えないか?
その日私は出勤しておらず、当日いた職員に確認すると、クレームの内容は
冬物衣類を家族に持ち帰ってもらえと言われた
というもの。
居室担当R君が、環境整備の時にタンスに冬物のセーター類が溢れているのに気付き
少しご家族に持ち帰ってもらっては?
と提案したそう。
私はシゲ子さんに話を伺いました。
シゲ子さんの訴えは
-
勝手にタンスを開けられて、とても嫌な気分だった。
-
私は寒がりだから、セーターとか冬物は沢山持っていたいのに、持って帰れと言われた
というもの。
私は、シゲ子さんとご家族に謝罪をしました。
R君の【2つのミス】
私は、居室担当R君に話を聞きました。
R君は
タンスに冬物が沢山あったから、少し持って帰って貰えばと提案した。
悪気は無かったようですがR君は
【2つのミス】
をしていました。
①、タンスを開けた
シゲ子さんは身の回りのことは自分でできるしっかりした人。
そんな人が、居室というプライベートな空間の、更にプライベートなタンスを開けられる。
勝手に家に入られてタンス開けられたら
私ならキレます。
②、上から目線で指示した
R君はそんなつもりは無かったそうですが、寒がりで持っていたい物を持って帰れと言われた。
勝手にタンスを開けられて
このTシャツ全然着てないじゃん。処分したら?
なんて言われたら
私ならブチギレます。
そういうことなんですよね。
R君がすべきだった事は?
しっかりした人であればある程、私物や空間に触れられる事に抵抗があり、拘りがあります。
例えば、タンスを開ける時に
最近、タンスの引き出しの取手が壊れてる部屋が多いので、ちょっと確認させて貰ってもいいですか?
と聞いたら
どうぞどうぞ
となり
シゲ子さん衣装持ちですねぇ。いいセーター沢山持ってるんですね。
と聞いたら
そうなのよ、私寒がりだか沢山持っていたいのよ。
という話になり、クレームには繋がらなかったかったかも知れません。
そして
(シゲ子さんはセーターを沢山持っていたい人なんだ)
という事に気付けたかも知れません。
環境整備は大切
少しR君のフォローをさせて下さい。
介護施設において、タンスを開けて中身を確認するという事は、結構大切な仕事です。
利用者の居室には、危険なモノが沢山潜んでいます。
例えば
- 賞味期限半年前に切れた饅頭
- ミキサー食の人の部屋に煎餅
- いつ開けたか不明な缶コーヒー
- でっかい飴
高齢者は【賞味期限】とか【保管方法】についての認識が薄い。
よく、タンス奥底からティッシュに包まれた饅頭を発見します。
要冷蔵の生菓子が常温で置いてあったりとか。
食べ物でなくても
- トイレットペーパー数ロール
- 尿とりパッドが数十枚
- 行方不明だった他利用者の入れ歯
そんな事が多々あるので、環境整備においてタンスの中身を確認することは、重要な仕事の1つです。
特に、これから食中毒が流行る季節ですからね。
日頃のコミュニケーションが大切
職員は複数の居室担当を兼任している上に、人手不足で日々忙しく動いているので、利用者1人1人とゆっくりコミュニケーションを取る時間は限られています。
とはいえ、少なくとも
この人はこういう人なんだ
という事を理解する必要はあります。
介護職に限らず、相手の事を理解してコミュニケーションを取るのは、社会生活において一番大切なスキルですよね?
まとめ
今回は、私のフロアで発生したクレームを例に、コミュニケーションスキルについて書きました。
これは1つの事例なので、相手によって失敗も正解も無限にあります。
その日の体調や気分も関係してきますしね。
人間と関わるって、難しいですよね。
でも、世の中の仕事は直接間接はあれど、殆どが人間相手。
コミュニケーションスキル磨け!
なんて言われたら堅苦しくて嫌ですが、日頃から相対する人の観察をすることは、公私ともに大切ですよね。