介護士Kのブログ Written by 介護士K

介護士は「入居者」にイライラするのか?

介護現場の日常

介護士K (@kaigo_kk) です。

高齢者施設における利用者虐待について。

世間が思う介護士の理想像って

どんな時も利用者に寄り添って笑顔で対応

といった感じですかね?

長年現場で働いてるので客観的に見れなくなっているのですが、当たらずとも遠からずといった感じじゃないでしょうか?

高齢者施設での利用者虐待ニュース、多いですよね。

容疑を認めた介護士は大体

ついカッとなって我慢できなくて…

と言います。

最近はSNSユーザーが増えたからか、ひと昔前より現場の状況がタイムラインに流れてくるので、批判に次ぐ批判というより

少しわかるなぁ…

といった同情の声も聞こえてきます。

今回は、高齢者施設の第一線で15年働いてきた介護士が、利用者にイライラすることはあるのか?

について書いていきます。

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介護士は利用者にイライラするのか?

現場で働く介護士は、利用者にイライラすることはあるのか?

結論からいきます。

 

 

日 常 茶 飯 事 で す

 

 

もうね、普通のこと過ぎて意識すらしてません。

最近だいぶ減りましたが

介護士は聖人君子であれ!

みたいな事言う人いますよね?

 

無理ですって

人間だものw

 

ただでさえ現場は人手不足で混沌としている上に、相手は認知症高齢者。

 

イライラしないほうが変です。

 

極端なこと言ってるわけじゃないですよ?

 

事実です。

 

介護現場のエピソードを交えて説明していきましょう。

便まみれの利用者の対応をしようとした時…

夜勤中、ある男性利用者が、寝た状態でオムツから便がはみ出し、背中まで便汚染をしていました。

しかも、両手でオムツをいじっていて、その手でシーツやベッド柵、枕などあらゆる物に触っていて、辺り一面便まみれ。

オムツ、衣服、シーツ、全て交換しなくてはいけません。

夜勤中で1人のため、ヘルプは呼べません。

(※そもそも1人夜勤の施設はヘルプ求める相手がいません)

交換しようとして利用者の身体に触れたら

何するんだコノヤロウ!!

と、便のついた手を振り回し、その手が自分の顔に当たりました。

車いすの利用者をトイレ誘導した時…

車いすの利用者をトイレ誘導した時、手すりに捕まって立ち上がってもらい、ズボンとパンツを下ろした瞬間

尿がダーッと滝のように流れ出し、自分の買ったばかりの靴に直撃。

すぐに何とかしたいけど、その利用者は離れると立ち上がって転倒するリスクがあるので、すぐにその場を離れられない。

それどころか、そういう時に限って転倒リスクの高い別の利用者のセンサーが鳴る。

尿がみるみる靴下に浸透していく…

いきなり殴られた

入浴後、椅子に座っている利用者に靴を履かせようとしゃがみ込んで下を向いた瞬間、いきなり後頭部をスコーンと殴られた。

その反動で自分の掛けていた眼鏡が飛んで、床に落ちてレンズが外れた。

介護現場によくある風景

はい、上げたらキリがないので、このへんにしておきましょう。

これは珍しいシチュエーションでも何でもなく

 

よくある風景です。

 

介護現場【あるある】です。

 

こんな事が単発ではなく、1日にまとめて襲ってきたりします。

そんな時、イラッとしない自信あります?

普通に考えたら無理ですよね?

少なくとも、私は無理です。

その後のアクションが重要

別にいいんですよ

イラッとしたって。

人間なんですから、喜怒哀楽の感情1つを棄てるなんて不可能です。

 

問題は…

 

 

その後のアクション

 

 

カッとなって暴力を振るってしまったら、世間を賑わせるニュースの主人公。

何もしなければ、いつもの日常です。

  • ◎△県警の不祥事

というニュースを見ると、何となく警察全般に不信感抱きますよね?

若かりし頃、交通違反で捕まった時に虫の居所が悪く

庶民を取り締まる前に、自分らを取り締まれコノヤロウ!!

と言ってしまったことがあります。

その時のお巡りさん、本当にゴメンなさい。。

これと一緒で、介護士が利用者虐待というニュースを見ると、世間は(※若かりし頃の)私に逆ギレされたお巡りさんと同じ気持ちになると思います。

俺らはちゃんとやってんだよ!

ってね。

氷山の一角中の一角

飛行機に乗る前日に墜落事故のニュースを見たら、少し怖くなりますよね?

ただ、飛行機が墜落する確率は天文学的な数字であって、そう滅多に起こることではない。

介護士の虐待だって似たようなもの。

多少変わり者だったり、下手するとやりかねないなと思う人間は見たことありますが、その中で実際に虐待してニュースになった人間は見たことがありません。

私の回りにも、その人たちの回りでも聞いたことがありません。

介護士の殆どは、そんなシチュエーションに遭遇しても上手く対処しています。

そこで堪えられずに虐待してしまう人間は、氷山の一角中の一角です。

精神的に追い込まれるシチュエーションがあるのは事実

例えば、夜勤の朝方4時。

この時間帯は、結構疲労蓄積しています。

そして、更にここから怒濤の起床介助が始まります。

疲労困憊の中、起床介助中に上記エピソードのような事が重なったら、そりゃあ辛いし苛々します。

また、人手不足で休日出勤や残業が続いて疲労ピークの時に、上司に嫌な事を言われた…

介護の仕事に限らず、社会生活では色々な事がありますよね。

仕事に限らず、体調優れなかったり、プライベートで悲しい事があったり、色々な要素が重なったり…

だから、虐待ニュースを見る度に

しんどかったのかなぁ…

と思ってしまいます。

色々な人がいるので解りませんが、自分は腹立って我慢できなくて人に暴力を振るったという経験がないのでね。

ただ、とはいえ駄目なもは駄目なので、責める意見もわかるし、ある面では一切同情はしません。

最後に

先日、あるニュースに関してTwitterでこんな事をつぶやいたら

結構な反応がありました。

介護職員の虐待ニュースが頻繁にあるからといって

介護士アブない奴ばっか!

みたいに思うのはやめて下さい。

そういう人間は氷山の一角中の一角であって、殆どの介護士は様々なシチュエーションに上手く対処しています。

ただ、介護現場には精神的に追い込まれるシチュエーションが点在しているのは事実で、誰でも一歩間違えば過ちを犯しかねないというのも、また事実です。

我々介護士は、そうならない為に自身の心身ケア、環境の見直しをしていく必要があります。

自分に合わない職場で無理して働いたり、辛いのに相談する相手もいなかったり…

自分に優しくないシチュエーションに追い込むことは、先々考えたら何のメリットもありません。

現場介護士の皆さん、くれぐれも無理はやめましょうね。

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