介護士Kのブログ Written by 介護士K

能力が高い人ほど病みやすい理由

介護の仕事

介護士K (@kaigo_kk) です。

介護現場には病んでしまう人が一定数います。

【病む】というと

仕事が思うように出来ない…

人間関係がうまくいかない…

みたいな事が原因として浮かんできますよね?

勿論、それが引き金となって病んでしまう人もいますが、中には能力が高い人が病んでしまうというケースもあります。

仕事できるのに何を悩む必要がある!?

と思う方もいるかも知れませんが、実はこういうケースは結構多い。

今回は、能力が高い人ほど病みやすい理由について書いていきます。

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病みやすい人の特徴

2つの事例をもとに説明します。

自分基準で相手に求めてしまう

オムツ交換に入ったら便汚染していて、その対応をしている最中に転倒リスクの高い利用者さんのセンサーが鳴ったとします。

自分の手が塞がっていて瞬時に対応できない時、何も言わずササッとヘルプに来てくれる職員もいれば、ボーッとしていたり全然関係ない雑務をしている職員もいます。

私が介護職に就いて2ヶ月くらいの頃、そんなシチュエーションがありました。

先輩が便汚染にあたってしまい、その時私は別のことで頭がいっぱいでセンサー対応ができず、たまたまフロアに来ていた施設長がフォローに入ってくれました。

ひと段落してから先輩に

なんでセンサー対応してくれなかったの!!

とメッチャ怒られました。

今なら空気を読んでサッとヘルプに入りますが、当時はまだ瞬時に状況把握して動くスキルはなかったので

そんなこと言われても…

と内心思いました。

先輩からしたら

忙しい時にボーッとして!!

といった感じだったのでしょうが、職員1人1人キャリアも能力も違うので、思い通りに動いてくれるとは限りません。

20年選手の大ベテランと、当時の私のような素人に毛が生えた程度の職員ではその差は歴然。

それにも関わらず、その先輩は日頃から全員に同じパフォーマンスを求めてしまい、思い通りに動いてくれない回りに常にストレスを溜めていました。

その先輩は、後に病んで辞めてしまいました。

相手が動いてくれていると思い込んでしまう

介護施設では年に数回大きな行事があり、うちの施設ではその1つに【夏祭り】があります。

各フロアから実行委員を2人立てて、けっこう前から準備に取りかかります。

ある日、実行委員のHさんからこんな相談をされました。

もう1人の実行委員Kさんが全然仕事をしてくれない…

Kさんは半年前に入職したばかりの新人ですが、介護キャリアが長く他施設で役職に就いてバリバリ仕事をしていたやり手なので、彼なら出来るのではと実行委員に抜擢しました。

Hさんはうちの施設キャリアが長くイベントにも何度となく参加しているので、立ち位置的には

  • リーダーHさん
  • 補佐Kさん

といった感じ。

Kさんが全然仕事をしないイメージが湧かず、後日Kさん本人に話を聞いてみると

Hさんから特に何も仕事を振られていない

という返答。

後日Hさんにそのことを話すと

Kさんなら察して動いてくれると思っていたのに…

Kさんがやり手なのは周知の事実ですが、施設の行事は未経験のため、具体的に指示を出さなければ動けないのは当然。

それにも関わらず、Hさんはそれをしなかった。

そのことをHさんに説明しても納得できていない様子でした。

Hさんはその年の暮れに、病んで辞めてしまいました。

病みやすい人の共通点

能力が高くて病みやすい人には【4つの共通点】があります。

できない事が理解できない

基本的に人より能力が高く仕事ができるので、できない人にストレスを溜めてしまう傾向にあります。

100メートル10秒で走れる人が15秒の人に

なんで出来ないの!!

と言ってしまうような感じ。

無茶な話ですよね?

できる人は自分基準で相手に求めてしまうため、当然ギャップが生まれそれがストレスになってしまいます。

コミュニケーション不足

上述のHさんのように

相手はきっと動いてくれてる!

と思いコミュニケーションを疎かにする傾向があります。

コミュニケーション不足では個々が好き勝手に動いたり誰も動かなかったり…

当然うまく纏まりません。

できる人は自分が空気を読んで動けてしまうため、コミュニケーションを疎かにしがちなのです。

1人で抱え込んでしまう

①②に繋がるのですが、個々の能力差を理解せずコミュニケーションを疎かにしていると、結局は自分1人で仕事を抱え込むハメになります。

仕事量が増えて精神的に追い込まれる上に、思い通りに動いてくれない回りに対する苛立ちは募るばかり。

完全な悪循環です。

そして…

プライドが高くて頑固

①~③の流れで仕事を抱え込み心身ともに追い込まれていても、プライドが邪魔をしてかヘルプが出せません。

自分1人で何とかしなきゃ!!

責任感が強いとも捉えられますが、どちらかというと独りよがりです。

アドバイスをしても頑固なのでなかなか素直に受け入れてくれません。

 

以上が【4つの共通点】です。

 

能力が高く人より仕事ができる人は、その反面“不器用”なんですよね。

加えて自分に自信があるようで実は無いので回りに手伝ってもらうと

(1人で出来なかった…)

と落ち込んでしまったりします。

4つの共通点を上げましたが、1番大きいのが【コミュニケーション不足】

能力が高い人は、ある程度のことは1人で出来てしまいます。

一職員としては高い能力かも知れませんが、チームプレーの観点からすると時としてそれはマイナスになります。

このタイプがリーダーになるとチームはバラバラになります。

私がサブリーダーの頃にリーダーだった先輩がそんな感じで、彼は1年で病んで辞めてしまいました。

回りができる事は?

能力が高く仕事ができる人は、組織にとっては財産です。

ただ、一歩間違えると病んでしまったり、現場を混乱させる原因になります。

そのため、上司は小まめにコミュニケーションを取っていく必要があります。

仕事ができる職員はプライドが高いので最初は壁をつくってきたりしますが、日頃から意識してコミュニケーションを取ることで徐々に壁が低くなり、ヘルプを出せる関係性が築けます。

文字で書くのは簡単ですが、実際はその100倍くらい難しく、過去に数々の痛い失敗をしてきました。

今だにベストな解決策は見つかっていませんが、絶対にNGと断言できることが1つだけあります。

それは

あの人はできるから

と完全に“放置”してしまうこと。

これだけは確実です。

まとめ

一言に【病む】といっても、人や環境によってパターンは無限にあります。

人より能力が高くて病みやすい人の共通点は…

  1. できない事が理解できなき
  2. コミュニケーション不足
  3. 1人で抱え込んでしまう
  4. プライドが高くて頑固

人それぞれタイプが違うので、うまくいく事もあれば裏目に出ることもあり、文字で書くより10000倍くらい難しいです。

回りができる事は、シンプルですが小まめに声をかけ続けることです。

それが相手を理解する切欠になりますし、相手も心を開いて

この人になら!!

と相談してくれるようになったりします。

一番ダメなのは

 

放 置

 

何もしないで財産を失うことは、介護現場にとってデメリットしかありませんからね。

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