介護士Kのブログ Written by 介護士K

食事に「とろみ」をつける理由

豆知識

介護士K (@kaigo_kk) です。

「とろみ」をつける理由、説明できますか?

介護士の方なら「トロミ剤」はご存知だと思います。

トロミ剤」とは、片栗粉のように食事・水分に「とろみ」を付ける粉で、様々なメーカーから市販されています。

高齢者は飲み込む力が弱くなるので、食事・水分に入れて、飲み込むのを助ける役割を果たします。

スポンサードサーチ

「とろみ」を付ける理由

「とろみ」を付ける理由について聞くと…

  • 飲み込みやすくするため
  • 誤嚥(ごえん)を防ぐため

と答える人が殆どです。

そこで更に…

「なんで飲み込みやすくなるの?」

…と聞くと、答えられない人が結構多いです。

そこで、今回は「とろみ」をつける理由を世界一簡単に解説します。

「誤嚥(ごえん)」とは何か?

誤嚥(ごえん)」とは、誤って気管内に食べ物が入ってしまうことです。

友達と談笑しながら食事してる時、不意に変なところに食物が入って…

「ゲホッ!ゲホッ!」

ってなる事ありますよね?

あれです。

人間の喉は、普段呼吸するために使っているので空気の入口である「咽頭(いんとう)」が開いています。

食べる時は「咽頭」を閉じて、そこから食べ物が入るのを防ぎます。

高齢になるとその機能が衰え、食物が入ってきた時「咽頭」を閉めるのが間に合わず気管に入ってしまい…

「ゲホッ!ゲホッ!」

となるわけです。

今からシンプルに解説します。

「ゲリラ豪雨」がきました

あなたは「35歳」です。

天気が良かったので、2階にある寝室の窓を全開にして、1階のリビングでマッタリしていました。

そこに突如として「ゲリラ豪雨」がやってきました。

寝室は窓全開なので、アナタはダッシュで2階に駆け上がって窓を閉める筈です。

50年後…

あなたは「85歳」です。

同じシチュエーションです。

ゲリラ豪雨」が来たのを知っても「杖歩行」のアナタは、ダッシュで階段を駆け上がることができません。

結果、2階の寝室は「水浸し」になってしまいました。

35歳」と「85歳」では身体機能の差があるので、同じシチュエーションでも対応の差がでてしまいます。

とろみは「時間稼ぎ」

食べ物の中で1番スピーディーに落ちてくるのは言うまでもなく「水分」です。

口内に「水分」が入ってきた時に

「咽頭閉めろー!!」

と指令が飛びます。

若い頃なら…

「アイアイサー!!」

すぐに対応できますが、高齢になると…

「間に合わないから時間稼いどいで!!」

となります。

トロミは、食物が口内に入ってきてから「咽頭」を閉めるまでの「時間稼ぎ」をしてくれるものです。

沢山入れれば飲みやすくなる物ではない

トロミ剤」は沢山入れれば飲み込みやすくなるものではありません。

人それぞれ嚥下能力が違うので、その人にあった量のトロミを付けないと「逆効果」です。

嘘だと思った人は、オレンジジュースに「みたらし団子のタレ」くらいトロミを付けて飲んでみて下さい。

下手すると窒息しますから。

まとめ

トロミを付ける理由は「ゲリラ豪雨」に待ってもらうためです。

(※違います)

介護に関わる人のお役に立てれば幸いです。

Secured By miniOrange