介護現場の『未来予測』~介護士が「働きにくく」なる未来~
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護現場は、確実に「働きにくく」なります。
私は、20代前半から介護の仕事をしています。
2021年、私が介護職を始めた頃から、世界は大きく変わりました。
介護は「人対人」の仕事なので、テクノロジーの進歩と比べて、まだまだアナログです。
とはいえ、介護現場も少しずつ変わってきています。
一番分かりやすいのは「経過記録」などの文章作成。
昔は「手書き」でしたが、今は殆どが「PC作業」に変わりました。
まだ「手書き」の事業所もありますが、いずれ100%「PC作業」になるでしょう。
介護士のライフスタイルも、入居者さんのライフスタイルも、確実に変わってきています。
今回は、私独自の視点から
介護現場の『未来予測』をしてみました。
世の中的な視点というより、介護現場目線での予測です。
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介護現場は「働きにくく」なる
これは間違いありません。
理由は、介護現場の「見える化」が進むからです。
私が介護を始めた頃は、携帯電話を持っている入居者さんは殆どいませんでした。
携帯電話はとっくに普及していましたが、年配者はまだ携帯電話への馴染みが薄く、持っていない人も多くいました。
今はスマートフォンが普及し、入居者さんは普通に家族とLINEでやり取りをしています。
入居の際に「Wi-Fi繋がりますか?」と聞かれることもしばしば。
昔は、入居者さんが家族と連絡をとる手段は…
- 面会
- 手紙
- 固定電話
くらいしかありませんでした。
今は、多くの入居者さんがスマホを持っています。
いつでも、どこでも、どのタイミングでも、家族へ連絡できます。
つまり、介護士の対応へ不満を感じたら、即・家族へ連絡できるという事です。
ある日の朝方、施設の電話が鳴りました。
欠勤連絡かと思ったら、ある入居者さんのご家族でした。
うちの父が夜中、喉が渇いたから介護士さんに水が飲みたいと言ったら、後でねと言われ、一晩持ってきれくれなかったと言っているのですが、本当ですか?
との問い合わせでした。
実際は、介護士はすぐに水を持って行ったのですが、入居者さんはそれを忘れてしまい、怒っていたとの事。
その事を説明すると…
そうですよね…父のことだから、そうだと思いました。疑うような事を聞いてすみませんでした。
理解のあるご家族だった為、それで済みましたが、中にはクレーマー家族もいます。
介護施設の「クレーマー家族」の特徴について【デメリット大】
介護施設には「クレーマー家族」がいます。施設側から見た「クレーマー家族」の特徴・デメリットについて解説しています。
今後、細かいクレームが増えるのは確実です。
20年後どうなるか?
2040年、介護士が280万人不足すると言われている時代は…
どうなっているでしょう?
我々の親世代(60~70代)は、現在スマホを使いこなしています。
などで積極的に発信する人も大勢います。
そんな世代が要介護状態になります。
20年後の施設入居者
例えば、私が介護施設に入所したとします。
入所時には間違いなく…
- スマホ
- ノートPC
を持ち込みます。
態度の悪い、対応が悪い介護士がいたら…
- スマホのボイスメモ
- zoom
を起動して、ナースコールを押します。
そして、介護職員の悪対応をバッチリ記録します。
場合によっては…
「今オムツ交換して貰ったけど、このあて方あり得なくね?」
と写真付きでSNS投稿するかも知れません。
腹が立ったら、施設名・介護士の個人名を晒すかも知れません。
勿論、そんな事をするつもりはありませんが、認知症による性格変化、その時のストレスによっては、やらないとは言い切れません。
こんな入居者が多数派になります。
入居者家族もITに詳しいので、色々な入れ知恵をします。
介護士は常に監視されている状態になります。
介護現場はまだまだ「アナログ」
テクノロジーの進化スピードに比べて、介護現場の実務はまだまだ「アナログ」です。
尿意を察知するセンサーなど、介護現場にも少しずつ実験的にITは導入されていますが、介護ロボットがオムツ交換をしてくれるような時代は、すぐには来ません。
そのため
- 入居者のIT知識
- 介護現場のアナログ
のギャップが発生します。
働きにくさを感じる介護士は、増えていくと思います。
20年後「生き残る」介護士
介護現場の「見える化」が進むと、必然的にブラック介護施設は淘汰されます。
- 入居者
- 介護士
ダブルで内部告発されますからね。
(ブラック企業は時代とともにアップデートするので、新手の手法が出てくると思いますが…)
そんな時代に生き残る介護士は
- 丁寧介護士
誠実に、きちんと仕事をする介護士です。
『丁寧(ていねい)介護士』をダメにする「スピード上司」&「残念介護士」
介護業界で最も『見習うべき』介護士について解説しました。こんな介護士を大切にしない介護現場は、確実に崩壊します。あなたの職場は大丈夫ですか?
介護施設も同様。
介護士を人間扱いしないようなブラック施設は、淘汰されるでしょう。
介護士が「働きにくく」なるのは確実
マジックミラー越しに監視されているような状態になるので、介護士が今より「働きにくくなる」のは確実です。
そうなった時、ますます人手不足に拍車がかかる気がします。
この先も介護の仕事を続けていきたい人は、事業所選びが重要になります。
- クリーンな経営
- 介護士を大切にする
そんな職場を選びましょう。
そして、今の職場に疑問を感じているなら、早めに動きましょう。
まとめ
私なりの介護業界の『未来予測』をしてみました。
皆さんは、介護業界はどう変わっていくと思いますか?
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余談ですが、私の施設は週に1回「映画鑑賞」というレクリエーションがあります。
- ビデオ
- DVD
- Amazonプライムビデオ
とツールが変化していきました。
体操などのレクも、以前はCDラジカセを使用していましたが、今はスマホをBluetoothスピーカーに繋げてやる職員もいます。
時代は、変わっていきますねぇ。