介護現場で『人間関係トラブル』を防ぐ方法
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護現場で『人間関係トラブル』に巻き込まれていませんか?
介護現場の離職理由No.1は
「人間関係」です。
人間関係が原因で辞めた人、病んだ人を百人単位で見てきました。
人間関係というと「もらい事故」のように思いがちですが、実は自分自身が原因を作ってしまっている場合も多々あります。
そして、その多くが無意識で行われています。
今回は知人の実体験をもとに、介護現場の『人間関係トラブル』を未然に防ぐ方法を紹介します。
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介護現場の『人間関係トラブル』を防ぐ方法
知人A君とは、15年前にヘルパー2級講座で知り合いました。
ヘルパー2級修了後、お互い別々の介護施設に就職しましたが、その後も定期的に飲みに行っては近況報告をしていました。
A君は同い年の元・営業職。
営業職時代、事業所で売上トップの成績を出すなど、若手のホープとして期待されていました。
給料も良かったそうですが、自身の営業職としての適性に疑問を感じ、この先何十年も営業を続けていくビジョンが見えなかったので、退職したとの事。
同い年なのに将来のビジョンがしっかりしていて、物凄く大人に見えました。
それなのに、自身のキャリアをひけらかす事もなく、話も面白く、A君の話にいつも聞き入っていました。
そんなハイスペック人間なので、未経験で始めた介護の仕事でも、1年目からメキメキと頭角を現し、2年目には既に次期リーダー候補として期待されるようになりました。
(当時、私はお局に翻弄されてました)
A君を慕う後輩
お互い介護職を始めて2年目、A君の職場に1人の後輩が入ってきました。
後輩M君。
我々の1歳年下で、専門学校を卒業したばかり。
介護職は未経験のため、歳が近いA君が教育担当になりました。
(2年目で教育担当って凄いな…)
お局に翻弄されていた私とは雲泥の差です。
A君は仕事がデキる上に話も面白いので、後輩M君からはすぐに慕われるようになりました。
そして、A君は後輩M君を連れて飲みに行くようになりました。
公私ともに悩みを聞いたり等、よく面倒を見ていました。
A君も後輩M君を気に入り、彼のビジョンを語るようになりました。
「今の職場はここが良くない」
「リーダーとはこう在るべきだ」
「介護業界はこうなっていくべきだ」
私もその話を聞いた事がありますが、介護歴2年目とは思えないくらい、しっかりした内容でした。
後輩M君は…
Aさん、マジで凄いです!
Aさんについて行きます!
Aさんがリーダーになるべきです!
A君に心酔していきました。
状況が一転
仕事も順調、後輩にも慕われ、A君の介護職キャリアは順調に思えました。
ところが、ある時から状況が一転しました。
上司のA君への当たりが急にキツくなりました。
些細なミスでも声を荒げて注意されたり、濡れ衣を着せられたり…
今まで猫かわいがり状態だった為、何が起こったのか理解できず、困惑したそうです。
A君は意見をハッキリ言うタイプなので、なぜ急に態度が変わったのか上司に聞いてみたところ…
特に何もない。そんな事より、もっと自分の仕事をしっかりやるべきじゃないのか?
と突き返されたそうです。
A君は仕事で手抜きをした訳ではなく、大きなミスをした訳でもなく、何故そんな態度をとられるのか、全く理解できませんでした。
その後、後輩M君の教育担当を外され、その理由についても何の説明もありませんでした。
状況は更に悪化
A君に対する上司の当たりは日に日に強くなり、イジメの域に達していました。
回りの職員もA君に素っ気ない態度をとるようになり、四面楚歌のような状態に…
施設長との面談でも、上司との関係に悩んでいる事を話したそうですが、取り合ってくれなかったそうです。
次期リーダー候補として期待されていたA君は、一転してイジメのターゲットになりました。
その後、A君は病んで休職した後、退職しました。
「鬱病」と診断されたA君は、退職後、2年半くらい社会復帰できませんでした。
この頃のA君とは何度か会いましたが、まるで別人のようでした。
A君の身に一体何が起こったのか…
A君を陥れた「犯人」は…
A君は今では完全復活し、数年前にデイサービスを立ち上げ、バリバリ仕事をしています。
持ち前の人間力・営業力で、コロナ渦でも経営も順調のようです。
最近は、出会った頃の3倍エネルギッシュです。
つい先日、久々にA君と会いました。
その時、一時はタブーたった当時の事について聞いてみたところ、衝撃の事実が発覚しました。
A君を陥れた犯人は…
後輩M君でした。
これは、A君が私と会う少し前、当時の同僚と久々に会った時に聞いた話だそうです。
後輩M君は、慕っているように見せかけて、A君の能力に嫉妬していたそうです。
Aさん、マジで凄いです!
Aさんについて行きます!
Aさんがリーダーになるべきです!
表ではそう言っておきながら、裏でA君が言っていた上司・施設への不満を、全て上司にリークしていたそうです。
A君は悪口を言う人ではないので、上司への不満と言っても、人格否定・悪口は言っていませんでした。
それは、当時の同僚も証言しています。
ところが、後輩M君は話を5割くらい盛って…
Aさん、リーダーのことボロクソに言ってましたよ!!
と言いまくっていたそうです。
当時のリーダーからしたら、可愛がっていた期待の若手の裏切りです。
感情的になり、教育担当を外し、施設長にもA君の素行を報告。
結果、A君は潰されました。
誰が悪かったのか?
この話の黒幕は後輩M君であると、誰もが思うでしょう。
ところが、当時を振り返ってA君はこう語ります。
あれは俺のミスだ。M君が慕ってくれるものだから、つい熱く語ってしまった。リーダーを悪く言うつもりは無かったけど、今思えば、悪口と捉えられても仕方のない言葉も使っていた。M君が上司にリークしたことも、元々の原因を作ったのは俺。自業自得だ。
「A君どんだけイケメンなんだ!!」
…と思ってしまいそうですが
A君の言う通りです。
A君は…
墓穴を掘ったのです。
言葉は、捉える側の解釈が全てです。
悪意が無くても、相手が悪意と捉えたら、悪意になります。
- 後輩M君の人格を見抜けなかった
- 誤解される発言をしてしまった
A君は、無意識のうちに2つのミスを犯しました。
結果、しっぺ返しを喰らいました。
『人間関係トラブル』を未然に防ぐ方法は?
結論はこのツイートに詰め込みました。
今の職場で長く勤めたい、新しい職場にはやく馴染みたい、そんな人がすべき事は【3つ】
・悪口を言わない
・悪口に付き合わない
・自分のことを話し過ぎない「そんなの聞き飽きたよ‼️」と甘く見ていた人が、軒並み罠にハマっていく。人間関係は、基本を疎かにした人がヤられる。要注意。
— 介護士K | 暇 (@kaigo_kk) October 12, 2021
『口は禍(わざわい)の元』
これは、不変の真理です。
自分の行動は自分に返ってきます。
そういう意味では、今置かれている状況はすべて自己責任です。
脳裏に刻んでおきましょう。
A君は、今ではこの経験に感謝しているそうです。
あのままスムーズに行ってたら、どっかでもっと痛い目に遭っていたと思う。その意味では、当時の経験にも、後輩M君にも、感謝してるんだよ。
今、彼が成功している理由がよく分かります。
後日談
後輩M君は、A君の悪口と合わせて、A君のアイデアを丸パクリして、然も自分の意見のように上司に提案していたそうです。
それが評価され、A君が退職した後、M君はサブリーダーに昇格しました。
ところが、元々中身が無い上に、裏で誰かを陥れるような人間なので、次第にメッキが剥がれ、上司・部下から見放され、逃げるように職場を去ったそうです。
その後のM君の消息を知る者は、誰もいません。
あなたの職場に、M君が潜伏していない事を祈ります。