ベテラン介護士が「出来ていない」こと
介護士K (@kaigo_kk) です。
ベテラン介護士が意外に「出来ていない」ことがあります。
介護の仕事において経験は大事です。
認知症高齢者の行動予測などは経験が役立ちます。
ただ、キャリアの長いベテラン介護士でも、意外と出来ていない事があります。
今回は、ベテラン介護士が意外に出来ていない「ある事」について書きました。
介護現場で働いている人なら間違いなく…
わかるーー!!!
ってなると思います。
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ベテラン介護士が出来ていない事
結論からいきます。
- 「とろみ」を上手につける
高齢になると飲み込む力が衰えるので、飲食の際にムセ込みやすくなります。
そこで登場するのが「トロミ剤」です。
片栗粉のように食事・水分などに「とろみ」を付ける魔法の粉です。
「トロミ剤」についてご存知ない方は、先ずはコチラの記事をご覧下さい。
食事に「とろみ」をつける理由
食事・水分に「とろみ」をつける理由について、世界一解りやすく解説した記事です。高齢者を「窒息」などの大事故から守る手助けになる筈です。
「トロミ剤」は地味に難しい
飲み物に「トロミ剤」を入れて混ぜるだけと聞くと…
「そんなん、誰にでもできるわ!!」
とバカにする人がいますが、そういう人は在宅介護などで関わる際に注意して下さい。
介護士の方なら分かると思いますが「とろみ」を上手くつけるのって
地味に難しい。
水分に「とろみ」を付ける手順は…
- 水分に「トロミ剤」を入れる
- 混ぜる
これだけです。
ただ、これが地味に難しい。
理由を説明します。
ダマになる
水分に「トロミ剤」を入れて混ぜるわけですが、下手に混ぜるとダマになります。
例えるなら…
タピオカをドロドロにした塊。
小麦粉の塊みたいなドロドロなものができてしまい、口に入れると物凄い不快です。
普通に水分を飲むとムセ込んでしまう人のために「とろみ」をつけているのに、中にタピオカをドロドロにした塊が入っていたら…
完全に逆効果です。
下手をすると窒息します。
商品によってダマになりやすい物、なりにくい物があるので、劣悪な商品だと、ダマを作らずに混ぜること自体が難しい場合があります。
沈殿する
「とろみ」は、物によっても、温度によってもつき方が変わります。
- 冷水
- 温茶
- 牛乳
- ジュース
- ヨーグルトドリンク
「牛乳」や「ヨーグルトドリンク」などの乳製品は、まんべんなく「とろみ」がつくまで結構時間がかかります。
混ぜているとサラサラな状態からだんだん抵抗を感じるようになるのですが、乳製品はなかなか抵抗を感じません。
ダマにもなってないし、こんなもので良いかと混ぜるのを止めて、しばらく置いておくと…
- 上はサラサラ
- 下はドロドロ
完全に2層に分離されます。
お洒落なカフェラテくらい分離します。
ちなみに、沈殿するのはドロドロタピオカ集合体の悪意の塊なので、飲めたものではありません。
ムセやすい人が2層に分かれた牛乳を飲むと…
- サラサラ部分でムセる
- ドロドロ部分で詰まらせる
下手をするとシャレになりません。
ベストな「とろみ」量は人によって違う
強くとろみをつける人、薄っすらでいい人、それぞれ分量が違います。
人によってベストな「とろみ」具合が違うので、その人にとってベストな「とろみ」を付ける必要があります。
「『トロミ剤』って、沢山入れれば飲みやすくなるんでしょ?」
たまに、こんな勘違いをしている人がいますが、危険です。
嘘だと思う人は…
- 200ccお茶に「とろみ」小さじ2杯
入れて飲んでみて下さい。
物凄い違和感です。
飲んでいる人の気持ちが解ると、見方が変わります。
「とろみ」を上手につけるコツ
幾つかあるので順に説明します。
「根気」が全て
「とろみ」を付ける上で最も必要なのは根気です。
根気強く混ぜれば、まんべんなく「とろみ」はつきます。
但し、時間が掛かります。
人手不足でバタバタな介護現場では、時間に追われて雑にやってしまいがちです。
そうするとドロドロタピオカ集合体の悪意の塊が出来上がります。
タイムスケジュールを工夫して「とろみ」をしっかり付ける時間を作りましょう。
先に「トロミ剤」を入れるのはNG
トロミを付ける際、先にコップの中に「トロミ剤」を入れる人がいます。
うまく混ざれば結果オーライですが、コップの底が濡れていると、水滴に「トロミ剤」が付いて固まります。
地縛霊くらい強力なので、溶かすのは不可能です。
そして、コップの底にこびり付いた悪意の塊を取るのは至難の業です。
トロミを付ける際は
- 水分をコップに注ぐ
- トロミ剤を入れる
この手順がベターです。
「追いトロミ」は危険
「牛乳」や「ヨーグルトドリンク」等の乳製品をはじめ「とろみ」が付きにくい物があります。
決められた量を入れて混ぜているのに、中々トロミが付かないから…
「追加しちゃえ!!」
とノリで「追いトロミ」をしてしまうと
アラビックヤマト級の粘度になります。
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引用元:ヤマト株式会社
人類の食物では無くなります。
そして、既にトロミが付き始めている所に「追いトロミ」をすると、高確率でダマになります。
真冬にビーチサンダルだと寒いくらいの高確率です。
うかつに「追いトロミ」をするのは止めましょう。
最後に
「トロミ剤」は、正しく使えば高齢者のQOL(生活の質)向上に役立つ優れものです。
「トロミ剤」のポテンシャルを発揮するためにも、しっかり「とろみ」を付けましょう。
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最後に質問です。
私は「とろみ」と何回言ったでしょう?