『レビー小体型認知症』とは?
介護士K (@kaigo_kk)です。
現場介護士が「レビー小体型認知症」について超簡単に解説します。
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レビー小体型認知症とは?
アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症とともに「三大認知症」と呼ばれる認知症の1つです。
全ての認知症患者のうち、約20%がレビー小体型認知症といわれています。
- アルツハイマー型認知症:50%
- レビー小体型認知症:20%
- 脳血管性認知症:15%
- その他の認知症:15%
大まかにはこんな感じです。
レビー小体型認知症の「特徴」
レビー小体型認知症は、物忘れなどの認知機能低下は軽度で、認知機能は良い時・悪い時のムラがあるため、初期段階では認知症の症状が目立たないケースが多いです。
レビー小体型認知症の「症状」
レビー小体型認知症には以下のような特徴的な症状があります。
認知機能障害
「いつ」「どこ」といった状況の把握が難しかったり、会話での理解力が低くなります。このような症状は、良い時・悪い時のムラがあります。
幻視(げんし)
レビー小体型認知症の1番特徴的な症状です。
「身体に虫が這ってる」
「裏口の戸を誰かが叩いている」
「子供が泣いてる」
実際には見えないものがハッキリ見えるような症状が現れます。
これらの症状は夜間に現れやすいです。
パーキンソン症状
- 身体が固くなり動きづらくなる
- 手が震える
- 歩き出すと急に止まれない
このような症状が出現するため…
- 転倒リスクが高い
- 寝たきりになりやすい
という特徴があります。
自律神経症状
便秘、頻尿、尿が我慢できない、残尿感、尿失禁…
立ちくらみ、めまい、失神…
トイレの訴えが頻回になったり、歩いている時に急にバランスを崩したりします。
そのため、転倒リスクが高くなります。
その他の症状
気分・態度の変動が大きく、穏やかな状態、無気力状態、興奮、錯乱(さくらん)といった症状を、1日のうちで何度も繰り返したり、一日中惰眠をむさぼるような事があります。
以上、ここまでザックリ学術的解説をしてきましたが、そろそろ退屈で寝はじめる人が出てくると思うので…
ここからは、介護士Kの目線でレビー小体型認知症について解説します。
「幻視(げんし)」とは?
「幻視」についてピンとこない方のために、介護現場の事例に見たてて解説します。
竈門炭治郎さん(男性)92歳
夜勤中、炭治郎さんの部屋からガタガタ物音がするので行ってみると、炭次郎さんがベッドから立ち上がって、杖を振り回していました。
どうしたのか聞くと…
「鬼が、そこに鬼がいるんだ!!」
「危ないから君は下がっていろ!!」
と興奮気味に言いながら、水の呼吸とか、ヒノカミカグラとか、意味不明な言葉を発しながら、杖を振り回しています。
鬼なんてどこにも居ませんよと説明しても…
「君には見えないのか!?」
「禰豆子は!禰豆子はどこだ!?」
炭治郎さんは、一晩中鬼と戦っていました。
「幻視」とは、本人は本当に見えている(ように脳が誤作動している)ため、「そんなことはない」と否定してはいけません。
脳の病気であることを理解し、不安感が強い時は1人にしないことが大切です。
炭治郎さんが鬼と戦っていたら、否定せずに一緒に戦って下さい。
霹靂一閃をくり出して下さい。
最も警戒すべきは「転倒」
レビー小体型認知症で最も注意すべきは転倒です。
- 身体が固く動きずらくなる
- 歩き出したら急に止まれない
これらの症状から、必然的に転倒リスクが高くなります。
穏やかな時は問題なく、歩行状態が安定していても、症状にムラがあるため、突然不安定になります。
炭治郎さんのように、興奮気味に鬼と戦っている時に歩行不安定になると、転倒リスクは爆上がりします。
まとめ
レビー小体型認知症について超シンプルに解説しました。
今回の内容は【入門編の入門編】なので、詳しく知りたい方はGoogleさんに聞いてみて下さい。
直接介護に関わる人は、学術的理解より現場体験が重要です。
昔、偉い人が言ってました。
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
あなたも鬼と戦って下さい。
勝てそうもない場合は、煉獄さんを呼んで下さい。
アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症についての記事もあるので、ぜひご覧下さい。
『アルツハイマー型認知症』とは?
「アルツハイマー型認知症」について、世界一わかりやすく解説します。これを読めば「アルツハイマー型認知症」がどういうものか、大まかに理解できます。
『脳血管型認知症』とは?
「脳血管性認知症」について、世界一わかりやすく解説します。これを読めば「脳血管性認知症」がどういうものか、大まかに理解できます。