『正常圧水頭症』とは?
介護士K (@kaigo_kk)です。
『治る認知症』ご存知ですか?
認知症は脳の病変によって発症するので、基本的には治りません。
ただ、認知症の中には治る認知症もあります。
今回は、治る認知症『正常圧水頭症』について解説します。
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『正常圧水頭症』とは?
正常圧水頭症とは、脳を保護する脳脊髄液が異常に増える疾患です。
頭痛・吐き気などの症状が出て、最悪の場合は命に関わります。
脳の病気が原因なので、手術で回復することができます。
- 特発性(原因不明・高齢者に多い)
- 二次性(くも膜下出血・髄膜炎の後遺症)
- 家族性(遺伝)
という「3つ」のタイプがあります。
正常圧水頭症の「症状」
特徴的な症状はこちら。
歩行障害
初期から現れやすいのが
歩行が小刻みになる症状です。
パーキンソン病でも小刻み歩行はみられますが、少し特徴が異なります。
正常圧水頭症の場合、歩く時に両足が“ハ”の字に開くように左右に広がる特徴があります。
まっすぐ歩くときは目立ちませんが、方向転換をする時、狭い場所では、こうした特徴的な症状が現れます。
認知障害
- 情報処理能力の低下
- 意欲低下
- 物忘れ
アルツハイマー型認知症の場合、初期から物忘れが強く現れますが、正常圧水頭症は物忘れは軽度で、ヒントを出したり、時間を掛ければ思い出せることが多くあります。
ただし、思考に時間がかかるようになり、受け答え・反応が鈍くなります。
排尿障害
- 頻尿になる
- 尿意を我慢できなくなる
- 失禁するようになる
という順番で、排尿機能が低下します。
正常圧水頭症は…
①歩行障害→②認知障害→③排尿障害
という順番で症状が出るケースが多いです。
正常圧水頭症の「診断」
診断方法は…
- CT(コンピューター断層撮影)
- MRI(磁気共鳴画像装置)
- タップテスト(腰椎から脊髄液を採取)
詳しい説明はマニアックなので省略します。
正常圧水頭症の「治療」
「シャント術」という手術を行います。
説明しよう。シャント術とは脳室に過剰に溜まった髄液を体内に入れたチューブを通して腹腔などに流し込む手術であーる。流した髄液はお腹で吸収されて体内の循環に戻り術後は1週間程で退院できるのであーる。シャント術による症状改善率は「認知症70%」「歩行障害90%」「尿失禁70%」と言われていーる。すぐに効果の出る人もいれば流す髄液の量により数週間から数ヶ月かけて改善することもあーる。正常圧水頭症は発見が遅れて症状が進行すると治療効果が少なくなるので早期発見・早期治療が極めて重要になってくるのであーる。
今寝てた人、ここテストに出ますからね。
正常圧水頭症の「注意点」
ここまで学術的解説をしてきましたが、最後に簡単にまとめてあるので…
全部忘れて下さい。
今から最大の注意点について解説します。
「誤診」リスク
正常圧水頭症という病気は超マイナーなため、専門医でも診断を間違えるケースがあります。
症状も…
- 歩行障害=パーキンソン病
- 認知障害=アルツハイマー型認知症
と被ります。
パーキンソン病とは
小刻み歩行の特徴が違います。
アルツハイマー型認知症とは
物忘れの程度が違います。
正常圧水頭症に詳しくない医師だと…
「認知症ですね」
と誤診されるケースがあります。
正常圧水頭症は早期発見・早期治療が超重要なため、発見が遅れると命に関わります。
もし、あなたの家族が「認知症」と診断されたら…
「正常圧水頭症の可能性はないですか?」
と質問してみて下さい。
「脳神経外科」を受診すべし
正常圧水頭症の治療・手術を行うのは脳神経外科なので、正常圧水頭症に詳しい医師が多くいます。
脳神経外科を受診するのが難しい場合は、まずは脳神経内科・精神科を受診して下さい。
正常圧水頭症の「見極め」ポイント
正常圧水頭症を見極めるポイントは…
- 歩行障害・認知障害が【ダブル】で現れるか
アルツハイマー型認知症は、歩行障害はかなり進行するまで発症しません。
歩行障害・認知障害がダブルで現れる場合、正常圧水頭症の可能性があるので、早めに受診して下さい。
排尿障害まで併発している場合は、スーパーダッシュで受診して下さい。
まとめ
治る認知症『正常圧水頭症』について解説しました。
主な症状は…
- 歩行障害
- 認知障害
- 排尿障害
正常圧水頭症が疑われる場合は
脳神経外科を受診して下さい。
超マイナーな病気のため、医師が「認知症」と誤診する可能性があります。
- 歩行障害+認知障害
がダブルで現れたら…
すぐに受診して下さい。
- 歩行障害+認知障害+排尿障害
がトリプルで出現したら…
スーパーダッシュ受診して下さい。
アルツハイマー型認知症に比べて物忘れは軽度です。
歩行障害、排尿障害にしても、認知症の基本症状です。
そのため…
「おばあちゃん、ボケちゃったかしら…」
いわゆる「認知症」と勘違いしてしまうと、非常に危険です。
正常圧水頭症は手術で回復することができます。
早期発見・早期治療が超重要です。
三大認知症(アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・脳血管性認知症)に比べてマイナーですが、発見が遅れると命に関わるため、知識として押さえておきましょう。
今回の内容は【入門編の入門編】なので、詳しく知りたい方はGoogleさんで調べてみて下さい。