率先して『忙しくなっている』介護士の特徴【人間の行動原理】
介護士K (@kaigo_kk)です。
忙しい原因、自分で作ってませんか?
朝、出勤すると、夜勤者が疲れ切った表情で仕事をしている。
申し送りを聞くと…
「入居者Aさん、夜間ナースコールを43回…」
案の定こんな感じ。
(あぁ…大変だったんだな…)
大変さが想像できるので、心底「お疲れ様!」と思います。
高齢者介護の仕事は主に「認知症」高齢者が相手なので、こんな日はよくあります。
仕方のない時もありますが、中には、きちんと対応していないことが原因である場合があります。
「何回もナースコール押された!!」
「同じことを何度も言われた!!」
よく、こんな愚痴を言いながらイライラ仕事をしてる介護士がいますが、この人たちには共通する特徴があります。
今回は率先して「忙しくなっている」介護士の特徴について解説します。
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率先して「忙しくなっている」介護士
結論からいきます。
率先して「忙しくなっている」介護士がやりがちなのが…
- 説得
認知症介護は、きちんと説明すれば解決みたいな簡単なものではありません。
むしろ…
「ちゃんと説明したのに…なんで!?」
という場合が殆どです。
「認知症」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい↓↓
超・初心者でもわかる『認知症』入門編【まとめ記事】
「認知症」について世界一わかりやすく解説します。超・初心者向けなので、介護キャリアの浅い人、身内の介護をしている人は、ぜひ読んで下さい。
ただ、「認知症」とはいえ…
相手は人間です。
人間は「説得」では動きません。
具体的に説明します。
介護現場の「具体例」
「オムツ交換して欲しい」
オムツ交換をして欲しいと頻繁に訴える入居者Aさん。
希望通りオムツ交換をしても、10分後にはまた「オムツ交換して」とナースコールを押してきます。
希望通り毎回オムツ交換をしていると、1日に何十回もオムツ交換をする事になります。
こんな時に…
「さっき交換したばかりですよ!」
と説得しても、ナースコール連打は止まりません。
そこでイライラして…
「だーかーらー、さっき交換しましたから!!」
とか言ってしまうと、ナースコール連打はさらに加速します。
結果「夜間ナースコール43回…」みたいな事になります。
こんな時は…
「今、他の入居者さんのオムツ交換をしているので、あと10分くらいお待ち頂けますか?」
みたいに話すと、ナースコール連打がピタッと止んだりします。
こう伝えても止まらない場合は多々ありまが、イライラして…
「さっき交換したばかりですよ!!」
と言うよりは、ナースコール連打が止まる確率は高いです。
「朝だから起きます」
早朝4時「もう朝だから起きます」と、入居者Bさんが起きてきました。
4時に起きてしまうと、介護士は起床介助で離れてしまい、見守りが手薄になり、その間にBさんが転倒してしまう可能性があるので…
「まだ早いので、もう少し寝てましょう」
と説得して部屋へ案内しても、何度も部屋から出てきてしまいます。
そこでイライラして…
「まだ早いですし、危ないので寝てて下さい!!」
なんて言ってしまうと、怒らせてしまい、今度は頑なに拒否をされたりします。
こんな時は…
「まだ夜中の2時(実際は4時)ですよ。起きるには早いんじゃないですか?」
みたいに話すと、もうひと眠りしてくれたりします。
こう伝えても寝てくれない日は多々ありますが、イライラして…
「まだ早いから寝てて下さい!!」
と言うよりは、寝てくれる確率は高いです。
人間は「説得」では動かない
子供の頃、朝学校に行きたくないと言ったら…
「学校にはちゃんと行かなきゃダメでしょ!」
勉強したくないと言ったら…
「勉強しないと立派な大人になれないぞ!」
お父さん、お母さんに、こんな風に言われた事ありませんか?
親が言ってる事は正しいかも知れない。
ただ…
ってモヤモヤしませんでしたか?
人間は「説得」では動きません。
人間が動くのは…
「介護の仕事は無資格でもできるから、資格なんて必要ない」
あなたは、そう考えて、無資格のまま介護の仕事をしていたとします。
そのことを同僚に話したら…
「介護の仕事には専門知識が必要だから、資格は取らなきゃダメだよ!!」
「資格いらないなんて、プロ意識が足りない!!」
こんな風に説得されました。
どう思います?
一理あるかも知れませんが
なんかイラっとしませんか?
「うん、確かにそうだよね。あなたがそう思うなら、無資格のままでも全然いいと思う。ただ、資格取ったら毎月『資格手当』が貰えるよ。同じ仕事をするなら、お金たくさん貰ったほうが得じゃない?」
こう言われたら、どうです?
「資格、取ってみようかな…」って、少しは思いませんか?
資格取る、取らないは別として、後者のほうが納得感ありますよね?
人間は「説得」では動きません。
人間が動くのは「納得」した時です。
子供でも、大人でも、認知症高齢者でも…同じです。
まとめ
いつもイライラして、忙しそうにしてる介護士は、自分から率先して「忙しくなっている」可能性があります。
そんな介護士がやりがちなのが…
- 説得
結果、うまくいかず、イライラしながら、忙しく仕事をする羽目になります。
人間は「説得」では動きません。
人間の行動原理は…
- 納得
子供も、大人も、認知症高齢者も…同じです。
介護現場の声かけで最も重要なのは、相手に「納得」してもらうことです。
認知症介護は、そんなに簡単なものではありません。
納得してもらえたから、すべて上手くいくなんて事は、絶対にありません。
むしろ、上手な声かけをしたところで、何の解決にもならない事のほうが多いです。
ただ、少なくとも、失敗する確率は減らせます。
率先してイライラして忙しくなるより、そのほうが良いと思いませんか?
余談ですが、介護士はもっと「楽」に仕事をすべきです。
「夜中にナースコール43回…」
こんな夜勤、やりたくないですよね?
「嘘」でも良いので「納得」してもらって…
入居者さんはグッスリ眠れて「楽」
介護士も平和な夜勤で「楽」
誰も損をしない。
介護現場は、こう在るべきです。