『上司』はつらいよ【介護現場のリアル】
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護現場の『上司』って、超大変です。
SNSを見ていると「上司」に対する不満で溢れています。
内容を見ると「あぁ、それは酷い…」と思うものも多く、物凄い共感できます。
最悪な上司につくと、マジで仕事人生詰みますからね…
私は基本、介護現場で奮闘する介護士さんの味方です。
ブラック上司、ブラック介護施設は破滅すればいいと思ってます。
ただ事実として、介護現場の「上司」って超大変です。
今回は、介護現場の「上司」の大変さについて、具体的に書きます。
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「上司」はつらいよ
介護現場には…
- リーダー(主任)クラス
- 一般職員
がいます。
リーダークラスの「上司」は、一般職員と同じ通常業務に入りながら、平行してリーダー業務をします。
与えられた時間は同じなのに、抱える業務量が2倍以上…
そんなイメージです。
介護現場のリーダーが抱えている仕事の一部を紹介します。
勤務表作成
リーダークラスが一番頭を抱えているのは、間違いなくコレです。
介護現場は超ド級の人手不足なので、勤務表作成は至難の業です。
「苦行」と言っても過言じゃありません。
無い袖は振れないように、どんなに勤務表を作り慣れた人でも、人手不足では物理的にどうにもなりません。
人が少ないだけならまだしも、そこに「希望休」などが入ってくると、勤務表作成は無理難題になります。
最近では、年5日は必ず「有給」を入れなくてはいけないので、これも結構大変です。
そんな条件下で苦労して作った勤務表なのに…
- 急な欠勤
- 急な退職
などが多発し、最悪はせっかく作り上げた勤務表を、一から作り直す羽目になる事もあります。
入職が決まっていた新人のために、教育体制を考慮して勤務を組んだのに、初日に新人が来ず、そのまま音信不通になったり…
夜勤専任の派遣が初出勤前日に「やっぱ無理です」とか言って来なかったり…
同居家族がコロナ等の感染症にかかり、しばらく出勤停止になったり…
休みの日でも、急な欠勤・退職などが発生した場合、勤務を組み直さなきゃいけなくなったり…
介護現場のリーダーは、月の半分以上…いや、365日常に勤務表のことを考えています。
新人指導
新人が入職した場合、リーダー・教育委員などが新人に付きます。
人手不足な上に、夜勤もあり、毎回同じ指導担当が付けない場合が多いため、新人指導は「申し送り」が重要になります。
指導担当者同士がすれ違い勤務で、なかなか会えず、メモ・申送りノート等で、進捗を伝達し合うことが多くなります。
経験者ですぐに一人立ち出来そうな新人ならまだしも、未経験・問題のある新人である場合、申し送り事項は膨大になります。
勤務時間内に申し送りノート等を書く時間がとれず、勤務後に残って書く…そんなリーダーさん、多いです。
(どのタイミングで一人立ちできるかな…)
(いつから夜勤に入れるかな…)
そんな事を常に考え、丁寧に新人教育をしてきたのに、一人立ち目前に…
「辞めます」
とか…
こんな事の繰り返しです。
傾聴・面談
一般職員の不満・意見を聞くのも、上司の仕事です。
具体的な提案、チーム内の問題など、生産性のある内容ならまだしも…
「あの人嫌いなので、一緒の勤務に入りたくありません」
みたいな超個人的な我儘も多く、入居者さんではなく、介護士の「傾聴」でヘトヘトになっているリーダーは多いです。
また、定期面談などで、意見を聞いたり、個々の課題を提案したり…
それを上司に報告したり…
それを勤務の合間に行います。
通常業務中には出来ないので、報告・申送りなどをまとめるのは、勤務時間外になることが殆どです。
人事考課
基本給・ボーナス査定など、立場によっては、この辺に絡むリーダーも多いです。
「お金」に関わる問題なので、神経を使う仕事です。
現場リーダー → 統括リーダー → 施設トップ
のように、段階的に複数人が評価に関わるので、必然的に「書面」になります。
当然、現場に入りながら出来る仕事ではないので、勤務時間外の仕事になる場合が多いです。
業務改善
介護現場は常に人手不足ですが…
- カバーできる人手不足
- ヤバい人手不足
その時々で人手不足の度合いが違います。
「ヤバい人手不足」の場合、今いる人数で何とか勤務を回せるよう、業務を見直す必要があります。
とはいえ、これにも限界があり、個々のポテンシャルに依存せざるを得ないケースがあります。
例えば、退職者が相次ぎ…
- オムツ交換を1時間15人やらないと業務に支障が出る
こんな状況になったとします。
1時間15人オムツ交換って、かなりの高速です。
できる人、できない人が出てきます。
誰もが実行可能でないと、業務マニュアルとして成立しないので、雑務の見直し、人員配置など…今いる人員で回せるよう、常に試行錯誤し続けていく必要があります。
苦労して業務見直しをしたのに、また退職者が出て、また一から考え直しみたいな…
この文章書いているだけで、頭が痛くなってきます。。
上から下から「板挟み」
部下からは愚痴・文句を言われ…
上司からは「部下が育たないのはオマエのせいだ」とか言われ…
「助けてください、助けてください!助けてくださいー!!」
と叫びたくなる日が1年のうちに366日くらいあります。
きっと後ろで「ひ~とみ~をと~じてぇ~」って流れてる筈です。
リーダーの「苦労」は伝わらない…
介護現場を見ていると、そんなリーダーの苦労は、部下に殆ど伝わっていません。
それどころか…
「希望休を却下された。休みを入れるのが上司の仕事だろ!?」
「役職手当てを貰ってるんだから、人一倍働いて当然だ!!」
「上司はこうあるべきだ!うちのリーダーは無能だ!!」
こんな愚痴・不満を、リアル・SNS…
あらゆる場面で目耳にします。
確かにその通りかも知れません。
これら全てこなした上で、人格的にも優れている。
そんな「理想の上司」を求めているのかも知れません。
ただ、そんな人は殆どいません。
リーダーも、あなたと大差ない「人間」です。
介護現場は人手不足のため、入職して卒なく仕事をしていると、すぐにリーダーに抜擢されたりします。
そこで業務負担が倍増し、病んだり、潰れたり…
そんな人たちを、二桁見てきました。
「手当貰ってんだから仕事しろ!?」
と言う人もいますが、リーダークラスが貰ってる手当って…
- 5,000~20,000円
くらいが相場です。
中には「0円」というブラック企業もあります。
仕事量・心労を考えたら、割りに合いません。
「10万円で家建てろ」と言われてるようなものです。
最後に
私は「一般職員」の味方です。
リーダーを無条件に擁護する気はありません。
暴君・お局みたいな、最悪な上司もいます。
最悪なリーダーのせいで、病んだり、潰れていった仲間を大勢見てきました。
あなたの職場のリーダーが最悪だったり、ブラックな職場であるなら、即転職すべきです。
断言します。
今回は「リーダーも大変なんだよ」という事実をお伝えしました。
これを読んでどう思うかは…
あなたの自由です。