入居者さんと話してると「サボってる」と言われる介護現場【介護現場のリアル】
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護現場の『闇』紹介します。
入居者さんと会話をしていたら…
「サボってないで仕事しろ!!」
と注意された…
こんな経験、ありませんか?
新人の頃、入居者さんとの距離をはやく縮めたくて、積極的に話しかけていたら…
「サボってないで仕事して!!」
先輩にガチギレされました。
これ、介護施設あるあるです。
介護士の仕事は入居者さんに寄り添うこと。そのためにコミュニケーションは大事です。
ただ、介護現場では「入居者さんと会話=サボってる」と思われがち。
「そんな介護施設はダメだ!!」
「高齢者を人間扱いしていない!!」
「自分の親だったらどう思う!?」
怒りをあらわにする介護士さん、大勢います。
ただ、私はそうは思いません。
理由は「時」と「場合」と「人」によるからです。
「どういうこと??」
納得のいく解説をします。
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何故、入居者さんと話していると「サボってる」と言われるのか?
原因は大きく分けて3つ。
- 人手不足で超多忙
- サボる奴がいる
- 効率重視型
順番に解説します。
1.人手不足で超多忙
介護現場は超・人手不足です。
本来なら10人必要なところを、5人で回す…例えるならこんなイメージです。
出勤した瞬間から…
入浴介助・排泄介助・食事介助・レク・排泄介助・食事介助…
委員会、ケアプラン見直し、担当者の居室整理…
1日中、休憩もままならず、座る暇もないくらい走り回っている…
入居者さんとのコミュニケーションは大事なのは分かるけど、忙しすぎて話す暇がない…
こんな介護施設は沢山あります。
「そんな介護施設はダメだ!!」
という人いますが、介護業界自体が人手不足な上に、超高齢社会なので、物理的に介護施設はどこも人手不足です。
そんな状況下で1人の介護士が入居者さんと長話をすると、1人分の仕事が滞り、それを他の介護士がフォローすることになります。
4人で20名のオムツ交換をする場合、1人抜けると、3人で20名のオムツ交換をすることになります。
1人が入居者さんと長話をした結果、勤務時間内に仕事が終わらず、サービス残業をすることになります。
負担する側からしたら…
「サボってないで仕事しろ!!」
と言いたくなるのは当然です。
2.サボる奴がいる
「入居者さんとコミュニケーションを取るのは、介護士にとって一番大切な仕事だよ!!」
理屈としては間違ってないですが、これを口実にサボったり、業務に支障をきたす輩がいます。
私が一緒に仕事をした「2名」で解説します。
サブリーダー児島(仮名)
サブリーダー児島は、いつも何かしら理由をつけて仕事をサボります。
オムツ交換に入るタイミングで、入居者Aさんが不穏になりました。
Aさんは時々「家に帰りたい」と落ち着かなくなる時があり、その時は横に座って5分くらい話を聞くと、大体落ち着きます。
それなのにサブリーダー児島は…
「Aさん、どうしました?少しお散歩でもしながら、ゆっくりお話しましょうか?あ、K君。Aさんと少し散歩してくるから、悪いけどオムツ交換お願いねー」
私にオムツ交換を丸投げし、30分くらいフロアから消えました。
オムツ交換が終わった頃、サブリーダー児島とAさんは戻ってきました。
Aさんは散歩したことで更に興奮状態になり、1日中帰りたいと叫んでました。
「入居者さんのために」
何かしら理由をつけて仕事をサボりまくるサブリーダー児島に、部下の介護士全員ブチギレ。
ある日、キレた先輩が…
「仕事サボるの止めてもらっていいすか?」
サブリーダー児島に詰め寄りました。
「入居者さんに寄り添うのは介護士の大切な仕事だよ!!」
サブリーダー児島はキラキラ発言を連発して話は平行線。
更にブチギレた先輩は、サブリーダー児島の過去の行いをすべて書面に書き起こし、統括主任に直談判。
サブリーダー児島は厳重注意され、以降サボれなくなり、ヒーヒー言いながら仕事をしていました。
入浴パート佐藤(仮名)
入浴パート佐藤の口癖は…
「介護は『おもてなし』」
滝川ク●ステル的な発言を連発してました。
理屈的には間違ってないですが、度合いによります。
午前中に15名入浴する日がありました。
その日の担当は入浴パート佐藤。
入浴は最大の『おもてなし』と豪語する入浴パート佐藤は、1人1人時間をかけて、ゆっくり入浴介助を行いました。
結果、午前中に5名しか入浴できませんでした。
その事を注意された入浴パート佐藤は…
「入浴は入居者さんにとって最も幸せな時間です。その時間を、ゆっくり時間をかけてやって、何が悪いんですか!?」
泣きながら逆ギレしたそうです。
言ってること自体は間違ってないですが、じゃあ、入れなかった10名はどうなるんだ…
3.効率重視型
人手不足なこともあり、介護施設では「効率」が重視されます。
- 効率=非人道的
と勘違いしてる人いますが、介護業界は超・人手不足なので「効率」を意識しないと、介護士の負担が激増します。
とはいえ、これも度合いによります。
仕事を早く終わらせたくて、スピードを重視し、入居者さんを物扱い…
これでは本末転倒です。
悲しいかな、こんな介護施設も事実あります。
入居者さんと会話をしていて…
「サボってないで仕事しろ!!」
とキレられるのは、この手の施設が殆どです。
施設自体がそうでなくても、上司・先輩に1人でもこのタイプがいると、その人の出勤日は殺伐とします。
入居者さんと向き合った介護がしたい人は、こんな施設は辞めるべきです。
介護業界は超・人手不足なので、転職先は無限にあります。
記事下に私がお勧めする介護系転職サービスを載せてるので、興味ある方は覗いてみて下さい。
入居者さんとの「会話」は悪いことか?
勿論、そんな筈はありません。
介護の基本は入居者さんに寄り添うこと。そのためにコミュニケーションは必須です。
これ自体に否定的な人は、介護の仕事はお勧めしません。
ただ、ここまで書いた通り…
- 「時」と「場合」と「人」による
2人欠勤してバタバタな日に、入居者さんとゆっくり話していたら、仕事終わりませんよね?
それどころか、下手すると事故リスク上がりますよね?
状況に合わせて、空気を読むことが大事です。
向う10~20年、介護士は圧倒的に不足します。
どの介護施設も人手不足でバタバタ…
介護士として長く働きたいなら…
- 価値観の合う介護施設を選ぶ
- 空気を読んでコミュニケーション
取るべきアクションはこの2つ。
何事にも言えることですが、1つの視点だけで物事の判断をするのは賢明ではありません。
「入居者さんとの会話を否定するような介護施設は滅べばいい!!」
こう言ってしまっては、何の解決にもなりません。
色々な視点があり
価値観は十人十色
今回の内容は情報の寄せ集めではなく、すべて私の体験談です。
これを読んでどう感じましたか?
ぜひ、あなたの声を聞かせて下さい。