ダイヤの原石は輝かない【良い介護士ほど『辞める』理由】
介護士K (@kaigo_kk) です。
介護業界の「大損失」って何だか知ってます?
先日、ある派遣さん(女性)と夜勤をした時、彼女が言ったことが印象的だったので、記事にしました。
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介護業界の「大損失」
派遣のMさん(女性)
介護歴2年目。
結婚を機に別業界から転職。
お子さんが小さいため、ご主人が休みの日にピンポイントで夜勤に入っている。
介護経験が短い上に、そそっかしい性格なので、危なっかしい面はあるものの、真面目で一生懸命。
愛嬌もあり可愛がられるタイプ。
私のことを「真面目で冗談言わなそうなタイプ」と思っていたらしく、夜勤の空き時間に少し話したら…
「Kさんって面白い人なんですね。意外でした」
と言われ、それ以来ちょくちょく話をするようになりました。
ある日の夜勤中…
「分からない事があるんですよね…」
彼女はこう言いました。
話を聞くと「なるほど、これは介護業界の闇だな…」と思ったので、要約して解説します。
「日勤リーダー」を誰も助けない
昼の「指揮官」的役割の日勤リーダー(以下:リーダー)
申し送り、他部署連携、指示出し…
身体より「頭」を使う役割。
排泄介助、コール対応などは主にリーダー以外の職員が担当するが、手が足りない時は自身も対応にはいる「プレイングマネージャー」的な役割。
そんなリーダーが申し送り、介護記録などをしている時、ナースコール・センサーが鳴っても、気付かないフリをして対応しない「サボる職員」が数名いると。
「サボる職員」はズル賢く、役職者がいる時といない時とで態度を変えたり、相手を見てサボったりします。
誰もコール対応をしないと、他職員が忙しく対応できないと思い、リーダーが対応します。
でも実際には「サボる職員」はコールに気付いてはいるのに気付かないフリをして陰で私語…みたいなことが結構あると。
Mさんはそんな状況を見て…
(リーダー大変なんだからコール取れよ!!)
と思いながら、リーダーを助けようと率先して走り回っています。
リーダーもそれに気付いていて、酷い時は名指しで指示出しをしたり、それを聞いた役職者が当人たちを注意しても「サボる職員」はズル賢いので一向に改善しません。
Mさんは経験の浅さ、派遣という立場から、注意したり上司に報告するのを躊躇い、悶々としていると。
「新人」が可哀そう…
新人職員に対して上司・教育担当の態度が厳しくて、見ていて辛いと。
新人職員は物覚えが悪いだけでなく、寝坊して遅刻をしたり、空気の読めない発言をしたり…ツッコみ所満載なので、当人にも問題は多々あります。
ただ、根は優しい良い子で、若いので伸びしろはあります。
それなのに上司・教育担当は、その新人職員にだけ当たりが厳しいと。
挨拶をしても声のトーンが素っ気なかったり、ヘルプをしてもお礼を言わなかったり…
世代が近いこともあり、Mさんはその新人職員とよく話をするらしく…
「話聞くと痛々しくて…でも、彼に欠点があるのも事実で…力になりたいと思うけど、自分に出来ることが何も無くて…」
と話してくれました。
Mさんは介護業界の「救世主」
ここまで読んで「お前の職場醜いな!!」と思った人、介護現場のことをあまり解ってません。
こんな事は、どの介護現場…いや、社会全般によくあります。
普通っちゃ普通です。
生き物の集団は、絶対に2割はサボります(詳しくは「介護施設に「サボる」職員がいる理由【2:6:2の法則】参照)
今回言いたいのは…
- サボる奴はいらない
- パワハラ上司は滅べ
ではなく…
Mさんのように
状況を俯瞰で見れて、思いやりがあり、必要とあればサポートに入る気持ちのある人“財”が、介護現場に定着しない
という事です。
Mさんに「常勤とかは興味無いの?」と聞いたら…
「こういうの見ちゃうと、派遣のままがいいですね。。」
と返答がきました。
- 状況を俯瞰で見れる
- 思いやりがある
- 必要とあればサポートに入れる
こんな人“財”どの介護現場でも喉から手がでるくらい欲しいですよね?
でも、このタイプが介護現場に定着しないんですよ。
介護士Kが「やるべき」事
私自身、同じような事を10年以上思い続けてます。
私が心掛けていることは以下の通り。
仲良くならない
仲良くなり過ぎると、良くも悪くも相手に「感情」が芽生えます。
- 仕事中は仕事の話しかしない
- 連絡先は交換しない(仕事上必要な時を除く)
- プライベートで関わらない
基本的にはこれを徹底し「物言える距離感」を保ってます。
舐められない「圧」
パワハラ上司、お局のような圧は破滅すべきですが、職場では時として「圧」が必要です。
肩書は無くてもサボる奴に
「この人の前で下手なことは出来ない…」
と思わせる。
介護士には優しく面倒見が良い人が多いので、サボる奴に舐められがち。
私はサボる奴には容赦しません。
ただ「怖い」「ウザい」と思われてしまうと敵対心を持たれ「負のパワー」を生み出してしまうので…
- 基本的には友好的
- 必要時だけ「圧」
『敵も味方もつくらない』がモットーです。
Mさんのような人の「話を聞く」
Mさんのような介護業界に必要な人“財”ほど、内にストレスを抱えてしまいます。
そんな人が内面を投げつける「壁」のような存在が必要です。
ただ「壁」には条件があります。
- 仕事が出来る
- 信頼されている
それなりに「信頼」されてる人じゃないと「壁」にはなれません。
愚痴ってばかりのアホや、話の分からない奴に何言っても意味ないし、Mさんのような賢い人は、そんな奴を選んで内面なんて言いませんからね。
職場に「壁」が1人でもいると…
(同じように思ってる人いるんだ!!)
Mさんみたいな人“財”はモチベーションを保てます。
私は現役中は「壁」でありたいです。
まとめ
介護現場に良い介護士が定着しない理由の「1つ」について解説しました。
あなたの職場はどうですか?
あなたは何をしますか?
私は「壁」やります。