「上司は現場に入るべきだ!!」は的外れ
介護士K (@kaigo_kk) です。
「上司は現場に入るべきだ!!」
介護現場は人手不足でバッタバタ。
特にこの時期は暑いので、とにかく大変。
入浴介助とか地獄です…
加えてコロナ陽性者パンデミックで地獄絵図…
そんな介護施設、メッチャ多いです。
日々奮闘する介護士の皆さん、マジでお疲れ様です。
難しいかも知れませんが、あなたの身体が一番です。
くれぐれも無理だけはしないで下さい。
バナナ、サバ缶、キュウリ、水…
栄養ある物をしっかり食べて、免疫力をつけて下さい。
大変な介護現場からは、よくこんな声が聞こえてきます。
「上司は現場に入るべきだ!!」
分かります。
超分かります。
分かりみが深すぎてブラジルに到達しそうです。
気持ちは分かりますが、残念ながらこの考えは的外れです。
なぜか??
理由を超簡単に説明します。
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「上司は現場に入るべきだ!!」が的外れな理由
組織の「肩書」は色々あります。
会社なら…
- 社長
- 部長
- 係長
- 一般職員
アメリカ軍なら…
- 元帥
- 大佐
- 少尉
- 二等兵
珍走団なら…
- 総長
- 特攻隊長
- 親衛隊長
- ザコ
多くの「肩書」があり、それぞれに「役割」があります。
介護施設にも…
- 施設長
- リーダー
- サブリーダー
- 一般職員
色々ありますよね?
一番多いのが「一般職員」
オムツ交換、入浴介助…
現場で汗流して走り回っているのは、主に「一般職員」です。
圧倒的多数のため、一般職員の声が「現場の声」とされがちです。
そんな介護現場から、時々こんな声が上がります。
「上司は現場に入るべきだ!!」
自分たちは人手不足の中、汗だくで仕事をしてるのに、上司は涼しい事務所から出てこない…
「現場を手伝えよ!!」
「現場の苦労を知れ!!」
分かります。
超分かります。
ただ、この考えは的外れです。
「織田信長」は最前線で戦わない
時は戦国時代。
あなたは織田信長の部下。
度重なる戦で、軍は超人手不足。
戦場最前線では、砲弾・弓矢が容赦なく降ってくる…
そんな中、織田信長は安全な本陣で座っている…
こんな状況で…
「オイ信長、現場大変なんだから、お前も最前線で戦え!!」
って、なりませんよね?
極端な例ですが、介護現場で「上司は現場に入れ!!」というのは
織田信長に「最前線で戦え!!」と言うようなモノです。
「役割」が違う
組織にはそれぞれ「役割」があります。
- 施設長と介護職員
- 看護師と介護職員
- 薬剤師と介護職員
- 管理栄養士と介護職員
- 介護リーダーと介護職員
それぞれ「役割」が違います。
看護師Aさんは食事介助を手伝ってくれるのに、看護師Bさんは「私の仕事じゃない」と手伝ってくれない…
前の施設長は現場を手伝ってくれたのに、新しい施設長は一切現場に来ない…
印象が良いのは…
- 看護師Aさん
- 前の施設長
ですよね?
人間心理とは、そういうモノです。
ただ、このケースでは看護師Aさん、前の施設長が「例外」です。
看護師が食事介助、施設長が現場…
こんな施設はよくあるので一概には言えませんが
看護師のメイン仕事は食事介助ではないし
施設長のメイン仕事は現場ではありません。
逆に、介護士は「点滴」をセット出来ないし、組織のお金を動かすことは出来ませんよね?
それぞれに「役割」があって、組織は成り立っています。
ただ、人間は自分の目線で感情的に物事・状況を判断します。
結果「上司は現場を手伝え!!」になってしまいます。
介護リーダー vs 一般職員
忙しいのに、介護リーダーは詰所でシフト作ってて、現場を手伝ってくれない…
「現場のリーダーなんだから、現場手伝えよ!!」
なんてこと、ありますよね?
分かります。
超わかります。
ただ、シフト作成は介護リーダーにしか出来ません。
現場に出たら、シフト作成の時間は確保できず「サービス残業」「持ち帰り仕事」をするしかなくなってしまう…
そんな状況で「楽してないで現場手伝えよ!!」とか言われたら…
「そんな事言うなら、お前らこそ無茶な希望休ばっか入れんなよ!!お前らがワガママ言わなきゃ、もっと簡単に仕上がって、現場手伝えるんだよ!!」
リーダーは思うハズです。
(※上司の苦労はコチラ参照)
勿論、こんな事を口に出してブチギレるリーダーは殆どいませんし、言ってはいけません。
表面上は「ゴメンね」と言うでしょう。
でも、内心では腸が煮えくり返っている…
介護リーダーと一般職員…
同じ介護士で近いようで、やっている仕事、負っている責任は全然違います。
介護の中でも「役割」が違うので、他部署は別モノです。
ただ、人間は自分の目線で感情的に物事を判断します。
ゆえに、難しいんですよね。。
「理解」するのが難しいなら「想像」するだけでも良い
立場が違う人間同士が衝突するのは、相手の立場を「理解」出来ないからです。
仕方ありません。
一般職員は介護リーダーの経験は無いし、薬剤師は介護現場の大変さを知りません。
「国会議員は介護現場を経験しろ!!」
というのも同じ。
アナタ、国会議員の大変さ、知らないでしょ??
そういう事です。
すべての人類がポジショントークをして譲らなければ、争いしか起きません。
相手の立場が「理解」出来ないのは仕方ありません。
経験した事ないことを理解するのは、物理的に不可能です。
これは私からの提案ですが、理解出来ないのなら、せめて「想像」してみてはどうでしょう?
リアルでは難しくても、今はSNSなど、様々なプラットフォームで、色々な立場の人の声が聞けます。
介護施設経営者が、現場介護士の声を聞いたり…
現場介護士が、介護施設経営者の声を聞いたり…
無料でいくらでも出来ます。
そうすることで、理解するのは難しいかも知れませんが、大変さを「想像」する事くらいは出来ます。
私は、暇さえあれば毎日Twitterを眺めていますが、色々な職業・立場の人が、惜しみなく本音を投稿しまくってます。
かなり参考になります。
仕事に、人生に不満のある人って、だいたい視野が狭いです。
視野を広げると、ストレス緩和になります。
「立場」の違う人の声に耳を傾けてみては如何でしょう?
心が軽くなるかも知れませんよ?